Silvermax100 を増感してみる

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新年度に変わり これまでに色々なテストを繰り返してきた

それは如何に理想のモノクローム写真を撮影・現像して仕上げるか?が大きな課題だからだ

その中で私は一つの理想的なフィルムを見つけることができた

Adox Silvermax100

これは実に深い趣と シャドウ・ハイライトの再現 微粒子 シャープネス

どれを取っても理想だった

ただひとつの難点は『ISO100』であること

加えるならば『120 サイズが存在しない』ことだ

ISOに関しては技術的な問題があるらしい

古典的キュービック粒子構造のフィルムにおいては解像度105Lp/mm という驚異的な数字が出るのは

このSilvermax100 と同じくAodx CHS100Ⅱ しか存在しない

(**他の古典的なキュービック粒子構造のFP4+、RPX 100、Plus-X、Fompapan 100、Kentmere 100、APX100 Newといったフィルムは、解像度70-80Lp/mm)

その数字を犠牲にしたくないのか ISO400 などは存在していないのだ


ならば増感はできないのだろうか?

もちろん増感できないことはない

ただこの『増感』というキーワードについては色々と誤解がある

決められた感度は何をしても増えないのは既成事実だ

それを半ば強引に引き上げるのだから色々な犠牲を伴う

この解像度を壊すのだから何ともったいないことか!

しかし その『犠牲』がどの程度なのかを知りたくなるのも自然だと思った

そして各方面の情報を集めて 一つの現像時間を導いた

これは以前にテストした「適正露出を見つける」からの経験値がとても大きい

それからメーカーや他の人が試みたデータを参考にしてみたのだ

その結果が以下の画像になる

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ある 歴史的建造物を訪ねた

趣のある木造建築で 今は公民館として利用されている

重い鉛色をした厚い雲がおおう天気だったがそれが理想だった

出来るだけ露出値が厳しい状況下で試したかったからだ

公称感度はISO100

そして私がテストをした結果「ISO80 での撮影が理想」としていた

今回はISO200 への1段増感を試みた

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薄暗い館内に入ると2階へ続く階段がある

採光窓からの光だけが頼りだ

カメラはMAMIYA35Ⅲを使用している

解放で撮影すればハイライトが滲むことは重々承知している

しかしここはそれを利用して不思議な絵を作りたかった

窓の外に見える桜の木が独特のシルエットになった

すでにここだけ多重露出をしているかのような錯覚に陥る

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露出計の値通りならもっと明るくなるが その数字は1/8

ローキーにしたいなら1/30で大丈夫だ

+1の効果はここでも大きい



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今度は場所を移し 比較的新しい洋館を訪ねた

まずは外からの撮影

このフィルムは本当にすごいと思う

ハイライトとシャドウのバランスがある意味不自然にすら思える

とても現実的ではない

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実際の外壁は薄いピンク色をしている

外から窓の中にある照明器具にフォーカスを合わせて撮影してみる


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今度は館内にて撮影してみる

照明の点いていない部屋は窓からの光が鈍く しかし優しい雰囲気を作り出してくれる

こうした状況下では中間層からシャドウにかけて粒子が目立ち始めるものだが

増感による粒子が気になるほどではない

微粒子とは言えないまでも下手な微粒子フィルムよりはよほど良好だと思う

カーテンの質感が見事に再現されている

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試しに露出計通りのスローシャッターで撮影してみる

窓からの光は完全に飛ばしても良いと思った

ただレンズの特徴でもある滲みを少なくしたかったのでF4に設定

確かに窓は飛んだが それでも窓枠や桟は耐え残っている

このフィルムはzone14 までも再現できるフィルムだった


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今回も現像液はAdox Atomal49 を1+1 で使用している

一応は「純正」であるから期待はしていた

ただ増感による粒子の荒れも覚悟はしていた

しかし それは良い意味で想定の範囲を超えていた

つまり想像していたよりも影響が少なかったのだ

そして先述しているが 露出値を+1/3 にしている

例えば露出計の値が1/125 であれば1/100 というように


あとは季節が良くなり現像液温度を20℃に保つことが容易になったのも良い

水道水が概ねこの温度だからだ

これでこのフィルムでISO200 設定で撮影することにGO サインを出せる

もちろん増感はしないに越したことはない


また今回もMAMIYA35Ⅲの描写とこのフィルムの組み合わせが良いことも立証できた


MAMIYA-35Ⅲ
SEKOR 42mm F2
Adox Silvermax100 (1段増感)
Adox Atomal49 20℃ 1+1 12min. 30/30/5


















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by pianoartech312 | 2016-10-31 19:00 | 現像関連 | Comments(0)