プリントのフィルターワーク

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3回目の暗室作業のテーマは「フィルターワーク」

モノクロプリントにおいてはひと昔ならコントラストを印画紙で調整した

2号・3号・4号・・・などと大雑把ではあるがそれでコントラストの調整をしていた

ところが何時の頃からか印画紙は「多階調紙」となりフレキシブルになったのだ

それでコントラストはフィルターで細かく調整することが可能になった

可能になったのだが このフィルターワークが実に難しい

これが決まるまでにかなり印画紙を無駄にする人もいる

その違いはどのくらいのものなのか?

作例で見ていくが 残念ながらプリントをスキャンした画像ではその違いが明確ではないことをご了承頂きたい


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<作例1>

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この2枚の写真の違いがお分かりになるだろうか?

上がフィルター無しで下が2号フィルターを使用している

フィルターは0〜5号まで半段刻みである

基準は「2号」とされていて これを境に若い号数のフィルターではコントラストが低くなり

大きい号数のフィルターではコントラストが高くなる

全体的にはフィルター無しの方が黒っぽいが

フィルターを使用することで露光時間を変える必要が出てくる

それは撮影用のフィルターと同じこと


フィルターを使用したプリントは少々露光時間が不足していたと言える

それでもガス灯の黒や彼女の座るベンチの黒が締まっていることがお分かり頂けるかと思う



<作例2>


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これは2号フィルターを使用している

初めはフィルター無しで焼いて見たが髪が締まらなかった

なので2号フィルターを入れてみた


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これは3号フィルターを使用

モニター上では違いがよくわからないかもしれないが 実際は明確にわかる


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今度は2号フィルターを使用した状態で 撮影時に使用するソフトフィルターを重ねた

撮影する時に使用すればハイライトからシャドウへ滲むがプリント時は反対になる

なので不自然といえば不自然な滲みになるのだが どこかレトロ調になるのが面白い効果だ


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今度は反対に低コントラストになるフィルターを使用して見た

1号フィルターだ

「眠い」というか 幕末に取られた写真みたいになった


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このように 最後は「表現としての黒」を撮影者の意図によって決定するのだが

撮影時のイメージが明確でないとこのフィルターワークに戸惑う

ただ 正直なところは「フィルターは使わないに越したことはない」ということだ


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この写真はフィルターは使用していないし特別な焼き込みや覆い焼きをしたわけでもない

しかしネガも綺麗だったが 写真そのものがとても美しく仕上がった

ルーペでピントを確認した時にもネガが綺麗だったのが嬉しかった


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もちろんフィルターを使用することで写真が良くなったものもあった

上の2枚がそれで 上はフィルター無し・下は2.5号フィルターを使用した

再三記すが 実際はこんなに黒が潰れていない

特に下の写真は本当に黒が綺麗に出ているのだ

ここで見比べると上の方が「いい写真」になってしまうが実は違う

そして驚いたことにこのネガの粒子が一番綺麗だった

TRI-X400 と D-76 の組み合わせで処理されたネガだった



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最後の作例は「ハイキー調」での場面

上はフィルター無し

中は2号フィルター

下は1号フィルター

白い部屋・白いワンピースの女性・春の日差し

こんな場面だと意外と「眠い」画像の方がそれっぽく見えるかもしれない

でもここでも一番イメージだったのはフィルター無しのプリントだと確信した



いつも感じることだが やはり良いプリントには良いネガが第一だ

そして明確なイメージがあればプリント時の作業に迷うことはない

次回は細かい「焼き込み」や「覆い焼き」を駆使して全体的なコントラストをまとめてみたい


まだまだ 試してみたいことが沢山ある

暗室に入ると3時間がアッという間に経過する

それだけ集中しているのだろうし 面白いのだろうな。。。







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by pianoartech312 | 2016-12-18 19:00 | 現像関連 | Comments(0)