モノクロプリント実習(その4)

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ILFORD FP4PLUS / Kodak x-tol


今年初めてのプリント実習

今回は120フィルムをメインにプリントしてみる

テーマは『しっかりとした黒を出す』に設定

前回 フィルターワークによってコントラストをコントロールしたが

黒の出し方について色々とアドヴァイスをもらっていたからだ

そして別のテーマとして『現像液とフィルムの組み合わせ』もあった

上の写真はFP4とx-tol の組み合わせ

過去のプリントから この組み合わせはもしかしたら理想的なのでは?と思っていた

フォーカス合わせのルーペを見て驚いた

とにかく綺麗なネガだった!粒子が実に美しい!感動すらした


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これも同じ組み合わせ

ただISO125から400 へと増感している

にも関わらず美しい粒子と黒だった

本当に薄暗い中での撮影だったので彼女の背景は潰れているがネガでも同じ

それでも彼女の顔のグレーからシャドウに移行するグラデーションを重要視して何度かテストプリントした

いつものことだがスキャンした画像ではその質感は半分も出ていない・・・



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ILFORD HP5 PLUS / Kodak x-tol

今度はISO400 のHP5 とx-tol の組み合わせ

これも400 のフィルムでありながら元々微粒子でハーフトーンが美しいフィルムだ

実際のネガでは彼女の足元も出ている

この時 彼女はスリッパを履いているが それがネガでは出ているのだ

しかし このネガではあえてそれを潰した

ただ足そのものは残したい

それだけ露光時間を伸ばせばハイライトがくすむ

下半分だけ余計に露光をして黒をしっかりと出して見た

これもテストプリントを数回重ねている



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Rollei RPX400 / Kodak x-tol


次は最近また気になり始めたRollei RPx400 をx-tol で処理したもの

粒子はHP5 より目立ったが普通に見れば微粒子のレベルだった

ただこの写真はMAMIYA C330 に65mm F3.5 を装着して撮影したもので

このレンズはTesser タイプの構成でかなりカッチリとした画像を結ぶ

なのでコントラストが上がった感があるが黒は締まり ハイライトも美しかった

彼女の前にあるテーブルの下はネガでは見えている

これはもう少し出さなければならなかったかもしれない



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Rollei Retro400s / R09 静止現像


前々回に同じ組み合わせで処理されたネガをプリントしたが それは静止現像ではなかった

そのためか粒子は荒く目立ったが 綺麗に揃っていることもあってモノクロらしさがあった

しかし静止現像で処理されたこのネガは実に粒子が細かく そして適当に分散されていて美しかった

この画像では彼女の足が完全に潰れているがプリントではしっかりと見えている

ネガでもそれは見えているので 今回はそれを再現したかった

彼女のスカートのひだ シワが実にシャープに再現されていて気持ちがいい

そしてこのフィルム独特の黒が本当に美しいのだ

最近はR09(ロジナール)の粒子が気になっていたこともあって少し気持ちが離れていた

しかし今回のこのプリントでそれが一掃された

ネット上では静止現像を否定する人も多いが やはりかなりの効果はあるのだと実感した



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FOMAPAN100 Classic / R09 静止現像

同じロジナールの静止現像で処理されたFOMAPAN100

これは実に興味があった

とにかく散々な言われ方をするフィルムだがハマると実に素晴らしい画像を結ぶ

そして実際にプリントをして見てもそれは確認された

実に微粒子で 粒が綺麗だったし 数そのものが少ないように思えた

しかしながら しっかりとしたコントラストがある

柔らかさには欠けるが 実にシャープネスが高く メリハリがある

木陰になる地面をしっかりとした黒で表現しようとすると彼女の顔が潰れる

なので彼女の顔だけを親指で何度となく覆う

真上からのその道筋が見事に見えてしまっている(笑)

これでもそれを補正するための露光を与えてはいるが不足だった



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Kodak T-MAX100 / T-MAX dev.


今はまず使うことのないフィルムだ

しかし これもプリントすることによって意識が変わった

実に滑らかで 超微粒子だ

粒子を見つけるのが困難なほどだった(笑)

テストプリントでとても迷う露光だった

やや短めにして現像時間を長く取ることで黒を増した

このフィルムは黒の締まりが無いとばかり思っていた

しかしプリントする段階でそれらをうまく処理すれば実に綺麗な黒が出ることがわかった

しかも超微粒子で滑らかな階調がある

純正の現像液と組み合わせれば実に美しいネガに仕上がるのだ



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プリントを始めてから本当に基本的な概念が変わった

変わったと言うより 覆された

まず ダメなフィルムなんか無いのだ

どのフィルムも どの現像液も 適宜イメージを汲んで処理すれば理想的なネガができる

そして 黒をきちんと出したプリントをすることで それは見事に再現される


もちろん それぞれに特徴はある

だからそれを自分の求めるイメージに合わせて 寄せて 一枚の作品が出来上がる

だから写真はプリントして初めて『撮影が終了する』と言えるのだ

やはりプリントを経験してみないことにはモノクロフィルムの本当のところはわからない


ここまで 『慣れること』に重点を置いてきたが それはクリアできた

次に『黒に意識を置く』ことについてはだいぶコントロールできるようになったと思う

またフィルムと現像液の組み合わせによる表現の特徴や粒子構造が理解できたのも大きい


これからはいよいよ『作品制作』に足を踏み入れる

一枚のプリントをシャドウ・グレー・ハイライトをバランスよく表現して

フィルターワークによるコントラストもコントロールして作品にしてみたい


それには撮影時のイメージが大切で

それがしっかりしたものでないと単なる『白黒写真』になってしまう

この冬の間に撮影できるポートレイトでは その辺をしっかりと意識して臨んでみたい


















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by pianoartech312 | 2017-01-07 19:00 | 現像関連 | Comments(0)