D-23 という現像液(3)

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3回目のテスト

今回は一番テスト結果を楽しみにしていたフィルム・FOMAPAN100Classic

このフィルムは独特のシャドウがあり コントラストも高く 解像度も高い

もちろん粒子も細かく 鮮鋭度もあって良いのだが先述したように黒が独特で潰れやすい

メリハリの効いた風景写真やスナップなどは適しているかもしれないが

柔らかさが欲しい女性ポートレイトには向かないと毛嫌いするカメラマンもいるとか

でも私はRollei Retro シリーズ同様に この黒がとても魅力的に思えて仕方がない

しばらく女性を撮影するにも使用していたのだが 以前にも記したようにプリントに苦労した

だからこのフィルムを諦めざるを得ないのかと感がていたのだ

でもそうなればなるほど 魅力的に思えてしまうのは人間の無い物ねだりか?

そこで現像液の自家調合となった旨はこのシリーズの最初に記したと思う


さて その結果はどうだったかといえば…

やはり思ったほど劇的にコントラストが緩和されたとは思えない

しかし その影響は少なからず見えるのだ

今回 テスト撮影に出かけたのはJR 鶴見線・国道駅

この駅のファンだというマニアは多い

なんとも例えようのない空気がその空間に流れる

本当に「時代が止まる」感じがするし

大分焼酎「二階堂」のCMにも出てきそうな駅だ

私は昭和40年代(1960年代)の生まれであるから「昭和の香り」などと言う表現が好きではないが

ここにくると更に時代を遡る必要がありそうだ

説明はさておき・・・


まずは初めのカット

輝度差の大きい場面で 晴れた午後の日差しがある向こうは飛んでいる

その光が薄暗い高架下のアーチを適度に照らしていて陰影が美しい

まさにモノクロ向きのシチュエーションだ

やはりシャドウは潰れかかっているのだが ネガでは一番手前のアーチも十分に出ている

そのシャドウとグレーの境界線あたりがボンヤリしているのが今までの現像液とは違う


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これは反対側から撮影したもの

外からの光はもちろんなのだが 天井からの照明が意外と明るいのだ

ただその照明もスポット的に照射されているので全体が明るいのではない

本当に昔の電柱にあった裸電球がその真下だけを照らしているかのようなのだ

天井の梁のグレーが幾分 柔らかいような気がする


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ホームに続く階段

もし女性を立たせたら彼女に標準を合わせるだろうが

そうするともっと背景のハイライトは飛んでしまう

右側にある窓からの光だけで彼女の顔を適当に縁取る程度にすれば全体的には暗くなるだろうが

雰囲気は十分で 無人駅のどことなくもの哀しいイメージが表現できるかもしれない


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ここは鶴見線の始発駅でもある鶴見駅・鶴見線4番線ホーム

ラッシュ時専用で昼間は使用されていないが 実に雰囲気があって良い

ここは普通に晴れていれば十分に輝度は保てる

ただ屋根の向こうとの輝度差は大きくなるからホームに露出を合わせれば向こうは飛ぶ

だからその表現を利用してみるのが良い

「黄色い線」のあたりに電車を待つ女性がいたとすれば彼女は消えかかっている

でもだから良い

もし『ひと夏の想い出』とした状況なら記憶が薄れていく感じがあるし

そうした淡い想い出はハッキリとしないまま消えていくのかもしれない

その屋根を支える鉄骨が無骨ながらも今までの処理では得られない柔らかい印象がある

でも黒はしっかりとした存在感があって妙な感じがする


最終的な表現はプリントにある

なのでこのネガをプリントするときに今までと同じように0号フィルターを介してでも硬いのでは意味がない

ストレートで焼いて そのまま表現できるのが理想だ

今の段階ではスキャンしたことを考慮しても良い雰囲気だ

今回テスト撮影した3本のフィルムのネガをプリントしてみたい

うまくいけば来月のポートレイト撮影に活用できる



MAMIYA C330S
SEKOR 80mm F2.8
SEKOR 65mm F3.5 Blue-dot
FOMAPAN100 Action
D-23 と同成分の自家調合現像薬
Stock 23℃ 9min.








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by pianoartech312 | 2017-06-28 19:00 | 現像関連 | Comments(0)