2017年 02月 06日 ( 1 )

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今度は山を下り 谷に整備された遊歩道を歩いた

夏は湿原となって ビオトープなどもあり ホタルの里とも呼ばれている

「こうして谷間に入ると風がなくなって良いね」

「こうして日向にいると暖かいわ・・・」

私は彼女をとある場所に立たせてカメラを向ける

「どうしたら良いの?」

彼女が私に問いかける

それでも私の撮影にだいぶ慣れているので凡そは私のイメージを汲んでいるはずだ

「その手すりに腰を預けて遠くを見渡すような感じでいてくれたら良いよ」

私はカメラを構えてじっとしている

「どうしたの?」

構えたまま固まってしまった私を見て彼女が疑問に思ったのだろう

「風を待っているんだ」

「でもここ、谷間よ」

「そう、だから強くもないちょうど良い風が期待できる」

「そうか。。。」

しかし待っていてもなかなか良い風が吹かない

彼女の目の前に見える竹林がザワザワとし始めた

「あ、風が吹くかも・・・」

「よし」


しかしやって来たのは頼りないものだった

しばらく沈黙が続く

「コツコツ・・・コツコツ・・・」

彼女が見上げる

「あ!キツツキ!あそこに見える!」

「そうだね」

「初めて見たわ!」

「コゲラだね。頭が赤い」

「乾いた良い音ね。。。」

小さな音なのに本当によく響く

そんな時に風が吹いた

わずかだけど彼女の長い髪を揺らした

彼女はまだコゲラを見つめている

なんとなく 良い表情だった






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by pianoartech312 | 2017-02-06 19:00 | Portrait | Comments(0)