カテゴリ:Portrait( 399 )

L'amour blessé(2)

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天気は見事なくらいの快晴で日差しもたっぷりなのだが

とにかく空気が冷たい

室内のひだまりにいると暖かさを感じるが

外気が入り込む場所だと足元から深々と冷える

しっかりと着込み 襟元にもフォックスファーをしっかりと巻いて防寒する彼女

そのくらいの方が真冬らしくて良い

「ジャック」を後にして 次なる目的地は「横浜開港資料館」だ

ここに併設されているカフェでランチをしたいから そのついでに寄ってみた

建物そのものはこじんまりとしているが重厚感は十分で私も好きだ

正面玄関の両脇にテレフォンブースがある

今時 公衆電話を利用する人など皆無だとは思うが

それでもここには未だにダイヤル式のピンクの公衆電話が設置されている

考えてみればテレフォンカードなど持ち歩いている人はいないだろうから

こうした10円硬貨が使用できる電話の方が無難なのかもしれない

このテレフォンブースは雰囲気が良い

とても狭く広角レンズでないと収まらないが

それでも何度となくここで女性を撮影している

今日は真冬の撮影ということで 今までとは少々違うイメージがある

明るさというよりは暗さを重視するとでも言うのか・・・

3度目の撮影ともなると 彼女もだいぶ慣れては来ている様子がある

しかし「作り込む」ことを覚えてしまったのか

自然さが無くなりつつあるのがツマラナイ

だからできるだけ会話の途中途中で彼女の一瞬の表情を狙うようにしているのだ

彼女がフッとため息を突いた次の瞬間に何かを想うような表情をした

それは彼女の癖とも言えるのだが そんな彼女の表情が今の雰囲気には必要だった

もしかしたら彼女もそのことを分かっていたかもしれない




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by pianoartech312 | 2018-01-16 19:00 | Portrait | Comments(0)

L'amour blessé(1)

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久しぶりに彼女と会った

過去2回は郊外のローカル線沿線で撮影していたが

今回はグッと都心に近づいて 異国情緒溢れるヨコハマにしてみた

ヨコハマは私にとっては地元でもあるので彼女を撮りたい場所は幾つもあるが

1日で全てを回るのは不可能だ

ましてまだまだ陽が短い真冬ともなれば その行動範囲は狭くなるのは必至だ

ただ 初めてではないにしても 普段あまりヨコハマを歩くことのない人を案内するには

「横浜三塔物語」と「ハート探し」をテーマにしてみるのが良い

過去には何人もの女性モデルをそうして案内している

ただ その「三塔」の中で撮影したのは彼女が初めてかもしれない

「ジャック」と呼ばれる横浜開港記念館は私の中ではベストな建造物だ

とにかくカッコいい

デザインされた大きな窓が特徴で その他にも見るべき所が多くある

今日はそんなヨコハマで彼女を捉えてみるつもり

どんな姿が見られるか 今から楽しみだ




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by pianoartech312 | 2018-01-15 19:00 | Portrait | Comments(0)

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和室・真冬・モノクローム

典型的な表現だ

そしてこの日は35mm判カメラで撮影した

フィルムも久しぶりに400-TXだった

ロケハンをした時から決めていた

できるだけ滑らかさが欲しかったが

T-MAX などのフィルムでは黒が物足りないのではないかと思った

普段なら1+1希釈での現像処理をするが

この時は1+2と やや薄めの処理をした

相反することになるがこの時はY2も使っている

しかし そのお陰もあって

シャドウは締まり

火鉢にある鉄瓶の表面は非常に滑らかになった

実際にプリントもしたが調子は良かった


さて 今シーズンも真冬の撮影が始まる


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by pianoartech312 | 2018-01-14 19:00 | Portrait | Comments(0)

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真冬の定義は2月までと記しているが

2月になれば段々と暖かな日もあるものだ

そして春の嵐になる「春一番」も2月に吹き荒れることが多い

風は強いものの 南風が暖かな空気を運んでくるので一気に気温が上がる

この日もまさに春一番が吹き荒れた日だった

なので室内にいる方が寒く感じてしまうのだ

すりガラスから溢れる外の光だけが火鉢と彼女を照らす

和室が醸し出す独特の空気感がある

そろそろ私の好きな冬も終わりに近づいて来た


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by pianoartech312 | 2018-01-13 19:00 | Portrait | Comments(0)

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真冬の静寂とモノクロームはとても相性が良いと思う

モノトーンはそれだけで静寂を表現できる

薄暗い教室ではスローシャッターになるが

この時はILFORD FP4 Plus を2段増感したのだ

元々の描写力が高いこのフィルムだとプリントしても全く問題はなかった

このフィルムに関してはD-76が良い

T-MAX・Rodinal・Rollei Supergrain などでも試しているが

D-76を1〜2℃高くして標準時間の現像をすると良い

ISO125を100にして処理する人もいるが

それはそれで面白いかもしれない

わずか1/3の違いでも温度を変えることで表現が変わる

それがモノクロームの面白いところであり奥の深さだ






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by pianoartech312 | 2018-01-12 19:00 | Portrait | Comments(0)

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雪が降り注ぐ「音」を聞いたことがあるだろうか?

私は真冬の白馬へよく行くが

まだ薄暗く 雪の降る早朝にローカル線の撮影に出かけたことがある

目的地にたどり着くまで誰ともすれ違わず 車も走っていない

何も音がしない状況の中で「雪の降り注ぐ音」を聞いた

まさに真冬の静寂だったのだ

都心からだいぶ離れた 人里離れた山奥にある廃校を彼女と訪ねた

木造校舎の中には冬晴れの日差しが間接的にはいるが

隙間風が鳴らす音以外 何も聞こえない状況だった

私は少々 恐怖感すらあったのだが彼女は色々なものに興味津々だった

そっとレリーズするのだが ミラーの跳ね返る音が異常に大きく思えた

そんな雰囲気がこの写真から伝わるかどうか分からないが

少なくとも「真冬の静寂」は感じられるのではないかと思う

夏では想像できない

この日もとても冷え込んだが私はとても興奮していた




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by pianoartech312 | 2018-01-11 19:00 | Portrait | Comments(0)

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前回と全く同じ環境下で撮影したモノクローム

この日も35mm判で撮影した

前回の写真と見比べても 彼女の背景が大きくボケたことで

厳かさを醸し出す柱の存在感が完全に薄れてしまった

むしろ柔らかささえ感じてしまう

それがモノクロームだ

もちろん絞り込んでメリハリを出せば同じようになるはずだ

コントラストを高くしてもモノクロフィルムが得意とするグレーゾーンの表現により

全体的に滑らかにも見えている

彼女の足元は完全に潰れているが不自然さは無い

こうした奥行き感はモノクロームが良いかもしれない





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by pianoartech312 | 2018-01-10 19:00 | Portrait | Comments(0)

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誤解の無いように記しておくが

今回の連載における「真冬」は12月〜2月と定義している

3月では「冬」というイメージが薄れる

11月も「晩秋」の方がしっくりくる

もちろん気温で定義するならば11月や3月が真冬になっても良い地方はあるはずだ

細かいことかもしれないが そこは自分自身の中の区割なのだ

さて この日は年の瀬も押し詰まった頃で

ここを訪ねる人も少なく この広い講堂は深々と冷え切っていた

彼女は新しいセーターを買ったからと 無理してコートを脱いだ

古い建築様式の 薄暗い講堂はそれだけで厳かだ

彼女の選択は正しかったかもしれない

真っ白なセーターが それだけでも暖かさを演出しているように見える

そして黄色いマフラー

これらの要素はカラー写真でなければ得られない

モノクロームをメインで撮影していると

カラーでも同じような状況で撮影したくなる

私はカラーやデジタルを否定しない

むしろ難しいと思っている

情報が多ければ多いほど 見る人を納得させる「何か」が必要になる

カラーの暖かさや冷たさ 空気感は実に難しい




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by pianoartech312 | 2018-01-09 19:00 | Portrait | Comments(0)

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同じ環境下で撮影するモノクローム

この日は35mm 判カメラを使用した

午後の早い時間だったが すでに夕方の装いがある

目的地が近づき デッキへと歩いて来た彼女

窓からの強い光がコートを照らすが

彼女の顔は影になってしまう

コートから反射するわずかな光が何とか輝度を保っている

彼女の不安げな顔が冬の暗さと寒さを表現し

汚れた窓ガラスが乾いた空気を表現する

モノクロームは全てが見えなくて良い

むしろ顔は半分だけ輝度が保たれていれば十分だ

標準レンズを開放で撮影する

わずかに外したフォーカスが甘さと重なって柔らかい描写になる

このフィルムの持ち味さえも失われてしまった

それでもこの時の彼女を表現するには それが適切だったと思う





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by pianoartech312 | 2018-01-08 19:00 | Portrait | Comments(0)

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何度も記すが 真冬のポートレイトは「明るい」

太陽の高度が低く 夏なら影になる場所でも奥まで日が届く

そしてその色合いと空気感がコントラストを自然と上げるように思える

通路にできる光と影の幾何学模様がそれを表現する

もともと色白の彼女ではあるが

真冬になるとより一層白さが増すようになる

真冬・ローカル線・女性のひとり旅

それだけで何かを想像するには十分すぎる

ここからそれぞれの物語が始まる




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by pianoartech312 | 2018-01-07 19:00 | Portrait | Comments(0)