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彼女の休日(1)

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彼女は今頃の季節がよく似合う

彼女自身もよく私に言うのだが特に冬は嫌いらしい

前回は2月の撮影だった

冬のわりには暖かいと思える日だったが曇りがちで雨も降った

口には出さないものの 表情は冴えないし 「眼」が活き活きしない

今回は恐らく日本の「四季」の中において一番良い季節だろうと思うこの日に撮影した

そしてテーマは「休日」

おしゃれでブランドショップが立ち並ぶ ここ表参道での待ち合わせ

地下鉄の出口を出てすぐに有名ブランドショップがある

その前で彼女の姿を見つけた時に私は嬉しくなった

前回とはまるで違う 本当に綺麗で可愛らしいとも言える彼女の姿がそこにある

私は出口を間違えて道の反対側に出てしまった

彼女はまだ私に気づいていない

もうしばらく こうして彼女の姿を見ていたくなった

ここしばらくの暑さに私が参ってしまうかもしれないと心配していたが

すでに彼女の姿に参ってしまった・・・


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by pianoartech312 | 2017-05-24 19:00 | Portrait | Comments(0)

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今回のプリント実習には先日も記事にした幾つかの「新兵器」で処理したネガを持参した

まずは現像液の「Rollei Supergrain」

そして印画紙の「Adox MCP312」

現像が終わり 乾燥のために吊るした状態でチェックすると非常に心地良かった

だからプリントも楽にできるのではないかと容易に想像できた

実際にスキャナでPCに取り込んで画像編集していてもそれは変わらない

ところが実際は全く違った

テストピースを焼いた段階ですでに迷った(笑)

「とりあえず1枚は焼いて見ないと・・・」

とにかく硬い

フィルターは入れていないのに硬い

なのに黒が出ない

でも白は出ている

先生に見せると「1号を入れてみなさい」とアドヴァイスを下さった

フィルターの標準は2号

つまり2号を境に数が多くなれば硬くなるし 少なくなれば柔らかくなる

今まで柔らかくしたことがなかったので戸惑った

それでもう1枚

自分の目を疑った

「露光時間の計算を間違えたか?」

それを先生に言うと「まだ硬いな・・・ハーフでやってみて」

ハーフとは単純な1/2のこと

結果から言うとそれでもまだダメだった

「お前、どんな現像した?」

ありのままを説明すると先生も首をかしげる

「じゃあ、0だな」

これ以上のフィルターはない

さらに露光時間をかけてみると・・・

まぁ 悪くないと言うところか?

そんなこともあって この1カットを完成させるのに5枚も焼いた

そんなこんなを8カット分もやったので感覚がわからなくなった(笑)

掲載の写真が0号フィルターを介して露光したプリント

本当は地面が見えていて 並木の影も写っているはず

もちろん焼き込みをすれば微かにでも写るはずだが それをやる気力が失せた(笑)



ただ この現像液はとてもシャープだし粒子も実に美しかった

そして印画紙もとても良かった

特に和服の女性には本当に「しっとり感」があって嫌味がない

FUJIFILMの同タイプのものと比べても質感がまるで違う

ただ硬すぎたのだ


次回からは希釈を多くしてコントラストを少し下げる工夫をしてみようと思う

撮影時の天候にもよるが コントラスト調整用フィルターは無くても良いかもしれない

実は今回のネガもほとんどはフィルターを入れて撮影はしていない


まだまだ経験したことのない事態に遭遇する

でも今回のネガは言い方を変えれば「良いサンプル」だったのだ

苦労はしたが それなりに「作品」にできたことが今回の成長の証だと思うようにする

やはりモノクロプリントは奥が深い

だから面白いのだろうな

次回は必ずリベンジしてみようと誓った!(笑)



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by pianoartech312 | 2017-05-23 19:00 | Portrait | Comments(0)

Fleur de jasmin(5)

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【モノクロフィルムの比較】

今回は予告通りにRollei Superpan200 と Rollei Supergrain の組み合わせだった

和服の女性をモノクロームで撮影するのはとても難しいのは重々承知している

過去にも何度となく経験はしている

コントラストの強弱で和服の質感を出せるかが勝負だと思う

そう言う意味ではこのフィルムは有利かもしれないが その反面 ゾーンが狭い

つまりグレーの領域が狭く シャドウからハイライトの境が極端とも言える

柔らかさという意味ではちょっと不足するかもしれないが それでも表現の仕方はある

この連載の一番初めに使用した写真と同じ状況で撮影している

桜の葉をこのくらい彼女の周りを囲みたかった

シャープネスとコントラスト シャドウとハイライト

どれも実に良い

現像が上がってネガをチェックした段階でメリハリのある絵があった

これもY2フィルターを使用しているが適当な効果を得られていると思う

ただ後になって思ったのだが このフィルムを使う場合はよほどのことでもない限りは

コントラスト調整用フィルターは不要なのではないか?

もし必要であったとしても それはプリントの段階でコントロールできる範囲だと思う

下手に快晴で輝度差があれば このフィルムは十分に対応してくれる

次回の撮影ではそれも意識してみよう

プリントすることが楽しみになった・・・



MAMIYA645Pro TL
SEKOR C80mm F1.9N
Y2
Rollei Superpan200
Rollei Supergrain
1+9 22℃ 6m30s



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by pianoartech312 | 2017-05-20 19:00 | Portrait | Comments(0)

Fleur de jasmin(4)

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晴れていれば まだ十分に太陽の光があっただろう時間だが

こんな天気ではすでに薄暗くなっている

近くの神社を訪ねた時には灯篭にも火が入っていた

「おみくじ引いて来てもいい?」

「いいけど。。。もう社務所も閉まっているのでは?」

階段を登ってみると『本日は終了しました』と札が立てられて社務所のサッシが閉まっていた

「あ〜 残念。でもお参りだけでもしていくわ」

「ご自由に。。。」

彼女はバッグから財布を取り出し 賽銭箱に投げ入れる小銭を探している

「あ!あった!」

「え?なにが?」

「おみくじよ。ほら」

今から賽銭を投げ入れようとした時 その賽銭箱の前におみくじの「箱」が置いてあるのに気付いたのだ

「ここに100円入れて一枚引けばいいのね?」

「そうじゃないかな」

私は彼女が手を合わせる所をカメラに収めようと本殿の脇に回った

「あ・・・間違えちゃった」

「え?」

「賽銭箱に入れちゃったわ」

彼女が笑った

「気持ちの問題だよ。良いんじゃない?おみくじ引いても」

彼女はしばらく考え込む仕草をした

「やっぱりダメよ。今のはお賽銭にするわ」

そう言って手を打って頭を下げた

しばらくの間 彼女は祈り続けた

目を開けてため息を一つ付くともう一度小銭を取り出しておみくじの箱に入れた

私は彼女に近づいた

彼女は取り出したおみくじをそっと広げてみた

顔がにわかに微笑んだ

「あぁ・・・彼女もこんな表情をするのか」

ファインダーを覗きながら そんな彼女の表情にドキドキした

「さて、なんだったでしょう?」

彼女がいたずらに笑う

「さぁね。私には関係ないから」

「ひどいのね。怜さんはおみくじも信じないのよね?」

「あぁ、そうだよ。でも信じる人を否定はしない」

「どういうこと?」

「どんなことでも信じることができて、それによって良い気持ちになれるのなら素晴らしい♪」

「じゃーん!」

彼女が広げたおみくじを私に見せた

「『大吉』よ!」

「それはイイね♪イイコトいっぱい書いてあるでしょ?」

「そうねぇ。イイコトあるかしら?」

「それは考え方次第だよ。信じるからくじを引くんでしょ?」

「そうよね♪」

「じゃあ、それは大切にして持ち帰ると良いよ」

「え?結ばないの?」

「もちろん自由さ。でも結ぶのは余り良くないものを『お祓い感覚』で『奉納する』んでしょ」

「そうね。せっかくだから持ち帰るわ」

そう言うと彼女は大切に折りたたんでバッグにしまった

今日 初めて彼女の幸せそうな顔を見た

写真に撮っておけば良かったかもしれないけれど

そんな大切な一瞬は 私のためだけにしておこうと思った

今度はジャスミンの花が咲く頃に 今日とは違った彼女を撮ってみようと決めた



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by pianoartech312 | 2017-05-19 19:00 | Portrait | Comments(0)

Fleur de jasmin(3)

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天気予報よりも日差しが得られずに苦労した

都会の真ん中に広がる公園は 今の時期独特の香りがする

梅雨が近いなと思える独特の匂いと質感だ

でも だからそんな季節感を出したいとも思う

歩道の向こうが暗く落ちている桜並木

春はきっと満開の桜が派手に彩るのだと思う

でも今はもう「新緑」を通り越して十分な濃さの緑がある

それは見方を変えると「薄暗い」にもなってしまうから良い

私はそんな桜の存在感が大好きだ

鎌倉などで撮影するときも思うのだが和服美人を撮影するのは小雨くらいが良い

独特の質感が得られると思うから

でも私がそうしたことを思うのはモノクロームで撮影することを前提にしている

今日のこの場所はそんな私の想いを叶えてくれる場所になった

彼女の表情がまた良かった


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by pianoartech312 | 2017-05-18 19:00 | Portrait | Comments(0)

Fleur de jasmin(2)

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彼女の立ち姿は実に美しいと思う

そして歩き方も良い

それは初めて彼女に会った時にすぐに思った

しかし その時は普通に洋服を着ていたからだったのかもしれない

和服をまとえば話はまるで変わる

和服や浴衣を着た時に洋服と同じ感覚で歩くからブサイクになる

しかし彼女はその「使い分け」までもが完璧にできる女性だったから驚いた

「歩き方が綺麗だよね。ゆとりが感じられるし色っぽいよ」

「そうかしら?周りからは『重い感じ』ってよく言われるわ」

「『重い』か… それは良いね。確かにそうも言えるかもしれない」


和服の彼女には少々場違いかとも思えるバラ園ではあるが

実際に来てみると悪く無いと思う

着物の柄があまり派手でもなく 地味でも無い

もう少しメリハリのある色だったりしたら変わったかもしれない

「この着物、母からの譲り受けなんです」

「そうなんだ。。。それは良いね」

「私、青が好きだから自分の着物を作る時は青系の色が良いなと思っているの」

「ふ〜ん。良いんじゃ無いかな。私も青は好きだから見てみたい♪」

「でも、もう少し上手に着付けができるようにならないとダメだわ」

「まぁ、それは経験を積まないとね。なんでもそうだよ」


私自身 和服美人を撮影するのは実に久しぶりだった

最後はもう3年くらい前だったと思う

さて 今日はどんな絵が撮れるかな?

もちろん モノクロームでも撮影するから楽しみにしている。。。


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by pianoartech312 | 2017-05-17 19:00 | Portrait | Comments(0)

Fleur de jasmin(1)

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「私、ジャスミンが好きなの」

まるで彼女がバラの香りに包まれているような錯覚さえする中で

表情一つ変えることなく彼女がサラリと言ったことに私は驚いた

「好きなお花は?」

私は初めて撮影する女性に対しては本当に色々な質問をする

それらは大して重要なことではないが

とにかく相手に発言をさせる機会を設けることが目的で

もしくは考えさせることが目的でもある

冬なら真っ暗な時間帯でも 今頃は日没も遅いので十分に撮影ができた

それでもどんよりと曇った気候ではどことなく肌寒いようにも思えるのだが

少し動き回れば梅雨時期独特のジメッとした空気が肌にまとわりつくようでもある

そんな季節だからこそ バラの花が綺麗に咲き誇り その優雅な香りをあたり一面に放っているのだ

和服を着た女性とバラは不釣合いのような気もするが思ったほど悪くもない

彼女はそんなバラの花を一つ一つ香りを確かめるようにゆっくりと歩いていた

「へぇ。。。どうして?」

「『ジャスミン』って漢字で表記できるって知ってた?」

「そうなんだ。それは知らなかった。どんな字を書くの?」

「『茉莉花』って書くの」

「難しいね。ジャスミンティのイメージが湧かないなぁ」

私は笑った

「正確に言うと、花が好きと言うより名前が好きなんだわ」

「なるほど」


バラ園を通り過ぎて階段を降りると大きな朱塗りの門がある

その時 偶然にも雲間から太陽の光が差し込んだ

今までくすんで見えたその大きな門が一気に光り輝いて見えた

「うわぁ、綺麗・・・」

「今がチャンスだね。背景にして撮ろう♪」

すっかり新緑を通り過ぎて深い緑の葉をつけた桜の木が何本か近くにあった

その緑を借りてさらに派手にしてみようと考えた

レンズが長すぎて ちょっと中途半端な構図になってしまった

それでも良かった

「ジャスミンの花言葉は知ってる?」

本当は彼女にそう問いかけたかったけど止めることにした

私は知っていたけど 今 それを彼女に言ってしまったらちょっと申し訳ない気もした








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by pianoartech312 | 2017-05-16 19:00 | Portrait | Comments(0)

『写真』の完成形(2)

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以前にもこのタイトルで記事を書いたが

今回は木パネルでも写真の完成形を試してみた

木パネルについてはずっと以前にも同様のことはしていたが

自分でプリントした6切の印画紙を貼ってみたのは初めてだった

4切用の木パネルに印画紙を均等な余白を割り当てて貼り付ける

それからパネルテープで縁取りをして完成となる

もちろん これはバライタ印画紙を水貼りする方法とは違うが

それでもアナログの印画紙は水に濡れたところで問題はない

これがインクジェットプリントだったり

フロンティアプリントであれば取り返しはつかないことになる

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ただ黒のテープはどうしても威圧感というか ちょっと気になりだすと止まらなくなる

緑もあるが イマイチ安っぽい

難しいところだが これが無難なんだろうなぁ


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もう一方は一般に市販されているアルミフレームなのだが

6切の印画紙を何もすることなく そのままはめ込めるサイズは少ない

このフレームは8切用のもので フレームの内寸が印画紙と同じなのだ

そもそも「8切」というサイズが昔は普通にあったのだが ここ数年で姿を消した

印画紙も実在したのに・・・

もちろん2Lのフレームでも印画紙をカットすれば問題なく入るが面倒極まりない

それは今後 小4切などでプリントしたものをモデルになってくれた女性に差し上げるなどしたい時

覚悟しなくてはならない作業でもあるのだ

しかし やはり自分でプリントした写真を色々な形で飾ることは「完成形」だ


この8切用フレームがなくならないうちに いくつか購入しておこうかな・・・







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by pianoartech312 | 2017-05-14 19:00 | Portrait | Comments(0)

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私がISO200 を好む理由のもうひとつは『柔軟さ』かもしれない

もしあとワンプッシュ欲しい時にISO400で使える

120 ならワンプッシュで粒子が荒れることはまず無い

もし 強烈な光量があり 1/500までしか無いカメラでの撮影が厳しくなったとしても

ISO100 として撮影しても著しいコントラスト低下は無い

特にFOMAPAN200 は平形粒子構造を持つタイプのフィルムだから無理が利く

ただインドアでの撮影がメインだったり

真冬の撮影だったりすれば話も変わってくるだろう

そうなれば素直にISO400 を選択するはずだ

ただISO400はモノクロフィルムにおいては「標準」なので銘柄もたくさんある

だから使うひとそれぞれの好みで意見も分かれるが そうなるほどの選択肢があることが幸せなのだ

もうしばらくの間はフィルムと現像液が固定化されると思う

ただ好みはどんどん変わっていくものだし それが面白いのだ

もしかしたら来月には全く違うことを記事にしているかもしれない(笑)



MAMIYA645Pro TL
SEKOR80mm F1.9N
FOMAPAN200Creative
Kodak D-76




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by pianoartech312 | 2017-05-12 19:00 | Portrait | Comments(0)

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最近のフィルム選択において『ISO200』はひとつのキーワードだ

以前なら「使いにくい」という感覚しかなかった

しかしプリントをするようになってからはモノクロフィルム撮影時に

コントラスト調整用フィルターを使用することが前提になり

Y2 でひと絞り分  YA3 でふた絞り分の露出倍数が必要になる

YA2 はよほどでない限りは使用することは無いと思うがY2 は常用でも良いくらいだ

なのでISO200 のフィルムにY2 を使用すれば ISO100 としての計算ができる

私にとってISO100 は露出決定の「基準」になっているから大凡の検討がつけやすい

そしてもうひとつの理由はフィルムの性格にもある

世間一般に出回るフィルムでISO200 を謳う銘柄は本当に少ない

私はRollei Superpan200 と FOMAPAN200 Creative を好むが

どちらもシャドウが好みだ

それらについては過去にも多く記事にしているしプリントした経過も記事にしている

それに先日導入したRollei Supergrain 現像液で処理することでさらにコントラストを調整してみたくなる


写真はFOMAPAN200 Creative をD-76 で処理しているが悪く無い

このフィルムは平形粒子構造をもつタイプのフィルムで比較的硬めの質感になるのだが

現像液によってはシャドウに物足りなさがある

しかしD-76 での処理で程よい黒が出たと思っている

あとはプリント時に2.5号程度のフィルターを介して露光すれば

ハイライトは飛ぶのでは無いかとみている

このカットはまだプリントしていないが 機会があれば是非にと思う


MAMIYA645 Pro TL
SEKOR80mm F1.9N
FOMAPAN200Creative
Kodak D-76


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by pianoartech312 | 2017-05-11 19:00 | Portrait | Comments(0)