「ほっ」と。キャンペーン

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ロジナールの標準希釈は1+50 とされている

それよりも濃くすればコントラストが上がり 粒子も目立つ

薄くすればコントラストが控えめになり 粒子も小さくなる

この作例は濃くしたネガで1+25 

フィルムは前回の作例にあった静止現像したネガと同じなのに こんなにも質感が変わる

このくらいだと「モノクロームらしさ」があると言えるのではないか?

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この作例も上の写真と同じシリーズのフィルムを使用して1+25 で処理しているが

ISO80 で「スーパー・パンクロマチック」と呼ばれるタイプのフィルムなので

元々 解像度も高くシャープネスとコントラストも高い

それゆえ 同じ処理でも質感がだいぶ違う

D-76 ほど多くのフィルムに対して寛容ではないが

それでも時にハッとするような画像を結んでくれるのがこのロジナールだと思う





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by pianoartech312 | 2017-02-17 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

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先月の記事でも同タイトルで掲載していますが

今回はその続きということでご了承頂きたい

D-76 は微粒子タイプの現像液だと記しました

しかし中にはモノクロフィルムの適度に荒れた粒子が良いという人がいるとも記しました

それでは その粒子をもう少し適度にコントロールできる現像液はないか?

それがこのロジナール(Rodinal)だと思っている

元々は微粒子ではない現像液で 普通に現像処理すればフィルムによってはかなり粒子が目立ちます

それも大きくしっかりした形になることも・・・

それはとんでもないシャープネスと引き換えなのかもしれませんが

何れにしてもそう言った現像液であることは前回も記したと思う

作例は 1+100 の静止現像

そのために粒子らしい粒子は見えないし コントラストも控えめになる

ただフィルムが元々コントラストが強い性格なのでそれをカバーしている

つまり こうした性格を汲んでこの現像液と組み合わせれば色々と質感をコントロールできると言える

私個人としてはロジナールで行う静止現像はとても素晴らしい処方だとは思うが

ツルツル感が際立ってしまってモノクロームらしさに欠けると感じる


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しかし中には「例外」もあって この写真に関してはどうにもならないくらいの粒子が出てしまった

元々このフィルムは粒子が大きくて荒いと評判だった

もちろん それが「味」として表現されるならそれも一考だ

実際にシノゴで撮影された写真を見ると実に雰囲気があって素晴らしいから驚く

この作例は35mm で撮影しているが実際にプリントしてもザラザラだった

これでもロジナールを1+100 希釈にして70分の静止現像しているのだ

この写真を「素晴らしい!」と言ってくれる人も存在するが

私は「ちょっと無理かな・・・」と感じている(笑)

このフィルムは特別な例外として

それでは他の希釈で現像処理されたネガはどうなるのか?

それはまた改めてということで・・・







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by pianoartech312 | 2017-02-16 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

Kodak D-76 を考える(2)

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例えば 平型粒子タイプのフィルムで階調性を豊かにしたい

ザラザラ感を少しでも少なくしたい

そう思ってKodak T-MAX シリーズやILFORD DELTA シリーズ NEOPAN ACROS100 を選択しても

D-76 は応えてくれる

まぁ 少々は粒子が目立つかもしれないが・・・

もちろん 専用現像液を使用するに越したことはない

ただ増感に対する適応力はD-76 の方が優れているように感じる

120 サイズのフィルムなら粒子の荒れを感じさせない

作例はKodak T-MAX100 をD-76 で処理している

曇り空で日差しや影もなくコントラストが低い状況だった

それでもベンチの色や質感 手前にある桜の木の幹は存在感がある

プリントしても十分に表現はできると思う



以前 NEOPAN ACROS100 をD-76 で2段増感した経験がある

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これがその写真

輝度差の大きい厳しい状況ではあるが

向こうのカーテンのヒダ

タイプライター後方のデスクの木目がしっかり出ている

このフィルムの特徴であるシャープネスもしっかりある

正直なところ この結果には大変驚いた

このくらいの無理も利いてしまうのがこの現像液なのかもしれない














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by pianoartech312 | 2017-02-14 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

Kodak D-76 を考える(1)

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今更ながら この現像液に向き合って見る

簡単な歴史を記すと1927年にイーストマン・コダックが開発した現像液だ

おそらく世界で一番使用され(ている)た現像液だろう

薬品組成は単純で自家配合することができる

・750cc の水

・メトール 2g

・無水亜硫酸ナトリウム 100g

・ハイドロキノン 5g

・臭化カリウム 2g

これらを順番に溶解して水を加え 1000cc とするとD-76 に成る

私の知り合いにもこれを元にオリジナル配合で特徴の違う現像液を作る人がいた

多くのメーカーがこれに習って独自の『D-76』(名称は変えている)を販売している

この現像液の特徴を述べよと言われると困る

ただ余りにも有名で 簡単に入手できるし標準現像液と謳われていると

なんだか「初心者向け」と勘違いされてしまう

だからモノクロフィルムにハマって少々色気付いてくると他の現像液に走る(笑)

私もその一人だったから・・・

とにかく「微粒子」「黒の締まり」「適度なコントラスト」「許容範囲が広い」が特徴

ただ静止現像には向かない

あとは希釈比率を変えることでコントラストとシャープネスのコントロールが可能だ

そして現像するフィルムを選ばない

ほとんど全てのモノクロフィルムにはD-76 の処方が記されている

また殆ど全てのモノクロフィルムはこのD-76 で現像すると「標準ネガ」になる前提で作られている(らしい)


作例はKodak 400-TX で撮影してD-76 1+1で現像処理したもの

プラスマイナス1段程度なら露出ミスを許してもらえる

なので曇り空などでコントラストが得られない状況で撮影されたネガでもそれなりのプリントができるのだ


もちろん適正露出をすれば より一層素晴らしいネガになり 何もすることなくプリントが容易にできるはずだ

ここ最近は何度も何度も繰り返して記すが

プリントをするようになってからこの組み合わせが最強であることを確認している

まずほとんどの被写体で適切なネガになることと思う

プリント時に覆い焼きなどで露光をコントロールすればハイライトは柔らかくなるしシャドウも潰れない


フィルムはともかく 現像液に迷うことがあればまずはこれを試してほしい








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by pianoartech312 | 2017-02-13 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

Adox Atomal49 を考える

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Lomography Lady Gray / Atomal49 /1+1


このシリーズの最後はAdox Atomal49 現像液

私が使用し始めたのはまだ数ヶ月前

しかしこの現像液もロジナール同様に古い歴史がある(らしい)

極めて細かい粒子 さほど高くないアキュータンス(高鮮鋭)でポートレイトに向くと言われる


初めてこの現像液で処理したフィルムが上のサンプル画像だった

お世辞にも綺麗なネガになるとは言えないフィルムだが

トイカメラなどでは独特の雰囲気が醸し出せるフィルムとしてマニアには好まれている

私自身 このフィルムは女性ポートレイトには不向きだと思っていた

実際に現像処理されたネガを見て驚いた

本当にきめ細かい粒子と 階調性 シャープネスも素晴らしく見違えた

しかし本来フィルムが持つ特徴はしっかりと残している


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Lomography Lady Gray / Atomal49 /1+1


実に面白い組み合わせだと思う

例えばこのフィルムをロジナールやD-76 などで処理すればかなりな粒子が目立つようになり

それはそれで味のあるネガになると思う

ハイライトも飛ぶし 黒は潰れる

しかしこの現像液だと かなり粘る

実際にプリントしてみると粒子がとても美しいのだ


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Rollei Retro400s / Atomal49 /1+3


それ以来 興味が出てきて数種類のフィルムを処理して見た

サンプルはRollei Retro400s

ロジナールと相性抜群のフィルムだ

そして非常に高い最大黒密度を持つ

このフィルムとこの現像液はどうなるのだろう?

その結果に震えた(笑)


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Rollei Retro400s / Atomal49 /1+1


そしてこの現像液はフィルムの感度に忠実で増感にも優れているらしい

また希釈を変えることでコントラストや粒子をコントロールできる

このサンプルは1+1 で処理した

1+3 で処理した前作と比べるとやや柔らかく見える


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FUJIFILM NEOPAN ACROS100 / Atomal49 /1+1


微粒子であるがゆえ 平形粒子構造を持つフィルムを処理したらどうなるか?

そんな興味も湧いてACROS100 を使って見た

サンプルはややフォーカスを外してしまったが

それでも絞り込んで撮影された画像はデジタルカメラで撮影したと言っても信じてもらえそうな程だった

ある意味では優れた階調性と微粒子・シャープネスを発揮しているとは言えるが

あまりにもツルツルすぎてアナログらしさに欠けてしまう印象だ

ただ この現像液ではそれくらいのネガにしてしまうことができると言うこと

シャープネスはロジナールには劣るものの それでもその性能は実に高い

ただパウダーしか販売されていないので溶解して現像液を作るのが面倒だ

是非 液体の現像液を販売してほしい



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今回で 現像液を考えるシリーズは終了

私の中ではもう一度 Kodak x-tol を使って見てもイイかなと思い始めている

あとはフィルムと機材の相性を踏まえ

自分の表現するイメージに沿ってフィルムと現像液を選択していくつもり


足掛け2年以上に渡る 現像液とモノクロフィルムの組み合わせ実験については

ひとまず『終了』と言うことになる

本当に多くの機材をテストして色々な結果を得た


しかし最後に言えるのはやはり「フィルムはなんでもイイ」と言うことだ(笑)

はっきり言って 悪いフィルムなど まず無い

とにかく「適正露出」と「正しいフォーカス」に神経を注げば悪いネガにはならない

あとは定着液の状態を常に気にかけること

そして実際にそのネガをプリントしてみること

それで「写真」は「完成」する















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by pianoartech312 | 2017-01-17 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

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Silvermax21 / Silvermax Dev. / 1+29


この現像液は使い始めてまだ数ヶ月

ただ私の中では一つの答えがある

この現像液は名前の通り Silvermax21 専用の現像液とされていて

フィルムの性能を最大限に引き出せるように設計されている(らしい)

ただこの現像液を他のフィルムに使用したことがないので突っ込んだ見解はできない


このサンプル画像が全てを表現していると思っている

実に滑らかで シャープネスも高く シャドウからハイライトまで忠実に再現できている

ある程度の「無理」が利いて 黒は潰れず 白とびも幅が広い

ただ 粒子は極細というレベルではない

どちらかと言えば「微粒子」というレベルだと感じる

それが良いとか悪いとかではない

早い話がロジナールに近い

ただロジナールほど粒子が目立つことはない


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こうした状況下でもかなり無理ができる



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私が思うにはこのフィルムと現像液では黒が特徴的だ

ISO100 のフィルムでもそれなりに対応ができると思う


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あとは機材との相性か?

残念ながら120サイズが存在しない

せっかくの解像度を持ちながら中判の威力を発揮することはできないのだ

ただフィルムバックを使って撮影することはできるが 

それでもフィルム上の画像は135mm サイズでしかないからあまり意味はない

優れたレンズを使用すれば それに応えるフィルムと現像液だ


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この純正の組み合わせでは一度だけ女性を撮影したことがある

快晴の屋外ではISO100でも厳しい状況になる

白をまとった彼女をあえて背景に大きな木を配してみた

髪の毛の黒 枝葉の黒 空の白 衣服の白 手すりの白

もちろんカラーで再現すればそれぞれは違う色だがモノクロになればグレーになる

その分離が見事にできていることに驚く

残念ながらスキャンした画像では黒は潰れがちだが

プリントすると彼女の髪の毛もしっかりと分離しているのが確認できるのだ


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私が出した答えは

このフィルムと現像液をセットで捉えたくないということ

そして私の中ではこの組み合わせは「あまり好みではない」と言うこと

他のフィルムを現像した経験がないので いつかはそれをやってみたい


ただT-MAX などの平形粒子構造を持つフィルムが余り好きではない方にとって

このフィルムの持つ性能はもしかしたら表現の手助けになるかもしれない

一度だけでも試してみる価値はあると思う


マニアックなことを言えば

このフィルムで撮影する際はISO80 に設定して表記通りの現像時間で処理するのがイイと思う














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by pianoartech312 | 2017-01-16 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

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ILFORD FP4PLUS / Kodak x-tol


今年初めてのプリント実習

今回は120フィルムをメインにプリントしてみる

テーマは『しっかりとした黒を出す』に設定

前回 フィルターワークによってコントラストをコントロールしたが

黒の出し方について色々とアドヴァイスをもらっていたからだ

そして別のテーマとして『現像液とフィルムの組み合わせ』もあった

上の写真はFP4とx-tol の組み合わせ

過去のプリントから この組み合わせはもしかしたら理想的なのでは?と思っていた

フォーカス合わせのルーペを見て驚いた

とにかく綺麗なネガだった!粒子が実に美しい!感動すらした


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これも同じ組み合わせ

ただISO125から400 へと増感している

にも関わらず美しい粒子と黒だった

本当に薄暗い中での撮影だったので彼女の背景は潰れているがネガでも同じ

それでも彼女の顔のグレーからシャドウに移行するグラデーションを重要視して何度かテストプリントした

いつものことだがスキャンした画像ではその質感は半分も出ていない・・・



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ILFORD HP5 PLUS / Kodak x-tol

今度はISO400 のHP5 とx-tol の組み合わせ

これも400 のフィルムでありながら元々微粒子でハーフトーンが美しいフィルムだ

実際のネガでは彼女の足元も出ている

この時 彼女はスリッパを履いているが それがネガでは出ているのだ

しかし このネガではあえてそれを潰した

ただ足そのものは残したい

それだけ露光時間を伸ばせばハイライトがくすむ

下半分だけ余計に露光をして黒をしっかりと出して見た

これもテストプリントを数回重ねている



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Rollei RPX400 / Kodak x-tol


次は最近また気になり始めたRollei RPx400 をx-tol で処理したもの

粒子はHP5 より目立ったが普通に見れば微粒子のレベルだった

ただこの写真はMAMIYA C330 に65mm F3.5 を装着して撮影したもので

このレンズはTesser タイプの構成でかなりカッチリとした画像を結ぶ

なのでコントラストが上がった感があるが黒は締まり ハイライトも美しかった

彼女の前にあるテーブルの下はネガでは見えている

これはもう少し出さなければならなかったかもしれない



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Rollei Retro400s / R09 静止現像


前々回に同じ組み合わせで処理されたネガをプリントしたが それは静止現像ではなかった

そのためか粒子は荒く目立ったが 綺麗に揃っていることもあってモノクロらしさがあった

しかし静止現像で処理されたこのネガは実に粒子が細かく そして適当に分散されていて美しかった

この画像では彼女の足が完全に潰れているがプリントではしっかりと見えている

ネガでもそれは見えているので 今回はそれを再現したかった

彼女のスカートのひだ シワが実にシャープに再現されていて気持ちがいい

そしてこのフィルム独特の黒が本当に美しいのだ

最近はR09(ロジナール)の粒子が気になっていたこともあって少し気持ちが離れていた

しかし今回のこのプリントでそれが一掃された

ネット上では静止現像を否定する人も多いが やはりかなりの効果はあるのだと実感した



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FOMAPAN100 Classic / R09 静止現像

同じロジナールの静止現像で処理されたFOMAPAN100

これは実に興味があった

とにかく散々な言われ方をするフィルムだがハマると実に素晴らしい画像を結ぶ

そして実際にプリントをして見てもそれは確認された

実に微粒子で 粒が綺麗だったし 数そのものが少ないように思えた

しかしながら しっかりとしたコントラストがある

柔らかさには欠けるが 実にシャープネスが高く メリハリがある

木陰になる地面をしっかりとした黒で表現しようとすると彼女の顔が潰れる

なので彼女の顔だけを親指で何度となく覆う

真上からのその道筋が見事に見えてしまっている(笑)

これでもそれを補正するための露光を与えてはいるが不足だった



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Kodak T-MAX100 / T-MAX dev.


今はまず使うことのないフィルムだ

しかし これもプリントすることによって意識が変わった

実に滑らかで 超微粒子だ

粒子を見つけるのが困難なほどだった(笑)

テストプリントでとても迷う露光だった

やや短めにして現像時間を長く取ることで黒を増した

このフィルムは黒の締まりが無いとばかり思っていた

しかしプリントする段階でそれらをうまく処理すれば実に綺麗な黒が出ることがわかった

しかも超微粒子で滑らかな階調がある

純正の現像液と組み合わせれば実に美しいネガに仕上がるのだ



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プリントを始めてから本当に基本的な概念が変わった

変わったと言うより 覆された

まず ダメなフィルムなんか無いのだ

どのフィルムも どの現像液も 適宜イメージを汲んで処理すれば理想的なネガができる

そして 黒をきちんと出したプリントをすることで それは見事に再現される


もちろん それぞれに特徴はある

だからそれを自分の求めるイメージに合わせて 寄せて 一枚の作品が出来上がる

だから写真はプリントして初めて『撮影が終了する』と言えるのだ

やはりプリントを経験してみないことにはモノクロフィルムの本当のところはわからない


ここまで 『慣れること』に重点を置いてきたが それはクリアできた

次に『黒に意識を置く』ことについてはだいぶコントロールできるようになったと思う

またフィルムと現像液の組み合わせによる表現の特徴や粒子構造が理解できたのも大きい


これからはいよいよ『作品制作』に足を踏み入れる

一枚のプリントをシャドウ・グレー・ハイライトをバランスよく表現して

フィルターワークによるコントラストもコントロールして作品にしてみたい


それには撮影時のイメージが大切で

それがしっかりしたものでないと単なる『白黒写真』になってしまう

この冬の間に撮影できるポートレイトでは その辺をしっかりと意識して臨んでみたい


















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by pianoartech312 | 2017-01-07 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

情報の共有


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今日の記事はマニアックな情報である

これはモノクロフィルムの現像に関わる人にしか有効でない情報なので

普通の方が読んでも何の得にもならないかもしれないのでご了承下さい


アナログプリントをするようになってから色々と試行錯誤は続いているが

フィルムの選択は私にとって永遠と続くテーマのひとつ

今 私が欲しいイメージとプリント時のことを考えると 現像液はAdox Atomal49 に絞られる

しかし 長い歴史があり古典的な現像液にもかかわらず情報が少ないのが現状

使うフィルムによっては現像時間の情報が全くないものも少なくない


ISO400 においてRollei Retro400 ・FOMAPAN400と試みてきたがもうひとつ試したかったのが

Rollei RPX400 というフィルム

これは以前に一度だけ使用したことがあったが これといった印象はなかった

ただ最近になってもう一度しっかりと検証して見たいと思うようになって購入した

ところがこのフィルムの現像時間がわからない

色々と情報を集め 自分なりに考えて現像時間を割り出して見た

その前には私がお世話になっている販売店のオーナーに直接聞いてみることもしていた

その時の答えが「テストして見ますので10日ほど待って頂けますか?」だった

そしてその答えが昨日メールで届いたのだ

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先日、お問合せのありました、Rollei RPX400 をAdox Atomal49 で現像する場合のデータが出ましたので、ご連絡申し上げます。


Rollei RPX400 をISO400(ボックススピードと同じ設定)、Adox Atomal49で現像の場合:


ストック溶液で9.5分(20℃)


攪拌:60/30/3(最初の60秒連続攪拌、そののち30秒ごとに3回攪拌を時間がくるまで繰り返す)


以上です。



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私自身はストックで9分と読んでいた


1+1 の希釈で13分


概ね 想定の範囲内だったので安心した



もし私と同じようにこのフィルムと現像液の組み合わせを試したいが


現像時間が不明なことで躊躇していた方がいたら是非とも参考にして頂きたい


役に立つ情報は広く共有することが望ましい


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by pianoartech312 | 2016-12-22 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

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3回目の暗室作業のテーマは「フィルターワーク」

モノクロプリントにおいてはひと昔ならコントラストを印画紙で調整した

2号・3号・4号・・・などと大雑把ではあるがそれでコントラストの調整をしていた

ところが何時の頃からか印画紙は「多階調紙」となりフレキシブルになったのだ

それでコントラストはフィルターで細かく調整することが可能になった

可能になったのだが このフィルターワークが実に難しい

これが決まるまでにかなり印画紙を無駄にする人もいる

その違いはどのくらいのものなのか?

作例で見ていくが 残念ながらプリントをスキャンした画像ではその違いが明確ではないことをご了承頂きたい


************************************:

<作例1>

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この2枚の写真の違いがお分かりになるだろうか?

上がフィルター無しで下が2号フィルターを使用している

フィルターは0〜5号まで半段刻みである

基準は「2号」とされていて これを境に若い号数のフィルターではコントラストが低くなり

大きい号数のフィルターではコントラストが高くなる

全体的にはフィルター無しの方が黒っぽいが

フィルターを使用することで露光時間を変える必要が出てくる

それは撮影用のフィルターと同じこと


フィルターを使用したプリントは少々露光時間が不足していたと言える

それでもガス灯の黒や彼女の座るベンチの黒が締まっていることがお分かり頂けるかと思う



<作例2>


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これは2号フィルターを使用している

初めはフィルター無しで焼いて見たが髪が締まらなかった

なので2号フィルターを入れてみた


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これは3号フィルターを使用

モニター上では違いがよくわからないかもしれないが 実際は明確にわかる


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今度は2号フィルターを使用した状態で 撮影時に使用するソフトフィルターを重ねた

撮影する時に使用すればハイライトからシャドウへ滲むがプリント時は反対になる

なので不自然といえば不自然な滲みになるのだが どこかレトロ調になるのが面白い効果だ


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今度は反対に低コントラストになるフィルターを使用して見た

1号フィルターだ

「眠い」というか 幕末に取られた写真みたいになった


***************************************


このように 最後は「表現としての黒」を撮影者の意図によって決定するのだが

撮影時のイメージが明確でないとこのフィルターワークに戸惑う

ただ 正直なところは「フィルターは使わないに越したことはない」ということだ


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この写真はフィルターは使用していないし特別な焼き込みや覆い焼きをしたわけでもない

しかしネガも綺麗だったが 写真そのものがとても美しく仕上がった

ルーペでピントを確認した時にもネガが綺麗だったのが嬉しかった


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もちろんフィルターを使用することで写真が良くなったものもあった

上の2枚がそれで 上はフィルター無し・下は2.5号フィルターを使用した

再三記すが 実際はこんなに黒が潰れていない

特に下の写真は本当に黒が綺麗に出ているのだ

ここで見比べると上の方が「いい写真」になってしまうが実は違う

そして驚いたことにこのネガの粒子が一番綺麗だった

TRI-X400 と D-76 の組み合わせで処理されたネガだった



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最後の作例は「ハイキー調」での場面

上はフィルター無し

中は2号フィルター

下は1号フィルター

白い部屋・白いワンピースの女性・春の日差し

こんな場面だと意外と「眠い」画像の方がそれっぽく見えるかもしれない

でもここでも一番イメージだったのはフィルター無しのプリントだと確信した



いつも感じることだが やはり良いプリントには良いネガが第一だ

そして明確なイメージがあればプリント時の作業に迷うことはない

次回は細かい「焼き込み」や「覆い焼き」を駆使して全体的なコントラストをまとめてみたい


まだまだ 試してみたいことが沢山ある

暗室に入ると3時間がアッという間に経過する

それだけ集中しているのだろうし 面白いのだろうな。。。







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by pianoartech312 | 2016-12-18 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

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11月に積雪が記録されたと大騒ぎになったこの日

私は足を濡らしてでも 楽しみで仕方のなかったそこへ出向いた

現像からプリントまで「手取り足取り」の講習会を受講したのだ

人生で最後にモノクロプリントを経験したのは高校1年生の時だから30年以上前のこと

あの時はモノクロフィルムに関しての知識は全くと言えるほど無く

ただ言われるままにやっていた

でも今は違う

目的も違う

だから楽しみだった


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とりあえず現像は今でもやっているので問題はなかったのだが

リールが普段使用しているものとは違ったので少々手こずったことと

あとは撹拌の時間とやり方が違っていた

「ご自分のやり方でやりますか?」

と言われたが違う方法も経験してみたかったので全てをここのやり方で通した

しかし それもまた新しい発見があって実に面白かった


現像が終わり水洗をして乾燥するのだが 専用の乾燥機があるのですぐに乾燥するし実に綺麗なネガができた

それからプリント作業に入ることになる


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まずはコンタクトシート(べた焼き)を作るためのテストプリントをする

どこに基準を置くかはプリントする人の好みやイメージが優先されるが

まずは基準を決めることから始まる

一般的な4・6・8秒で露光してシマシマのベタが出来上がる

引き伸ばし機の扱いはまだ記憶にあったが やはり目が悪く(特に老眼の影響)なったのがあり

本当に苦労した(笑)

露光した印画紙を現像液の中に浸し 画像が浮かび上がる瞬間はやはり感動する



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そのテストプリントから大体の時間を決定して全コマのコンタクトシートをプリントする

その中から今日は3カットを選んで本プリントすることになった

でも この段階でもかなり満足している(笑)


それから昼食を挟んで本プリントに入る

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ここでもテストプリントをするのだが 今度は4秒・8秒で露光

被写体の顔や服 背景のコントラストなどをイメージして露光時間を決定する

いざ露光

すぐに現像液に浸してみると・・・

そこで先生から色々とアドヴァイスが出る

焼き込み方(覆い焼きのススメ)やコントラスト調整のためのフィルター使用など

全体的な絵を見てバランスを整えるという感じか

理想的なグレーを出すというよりは1枚の作品としてのプリントにこだわる方だったが私も同意できる

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今度は被写体の服が黒なので焼き込みやコントラストに注意しながら露光してみる

もちろんテストプリントもしている

このプリントにはフィルターを重ねてコントラストを少しだけ強めに出した

最初のプリントは彼女の服が潰れてしまったし髪もはっきりしない

先生は背景をもっと飛ばした方がいいのでは?とアドヴァイスを下さった

それらを踏まえて2枚目のプリントが上の写真になったのだ


ここまでは先生が付きっ切りで指導してくださった

「じゃあ、3枚目は一人でやってごらん。15分でね。終わったら見せて」

と言われてアタフタ(笑)


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手順や扱いは少し慣れたものの やはり覆い焼きは難しかった

テストプリントの段階では彼女のコートに締まりがなく 地面の落ち葉も存在感が薄い

全体的なバランスが整い過ぎていて「ツマラナイ」写真になっていた

そこで手前側を焼き込み コートは覆い焼きをして 左サイドは少し露光を抑えた

現像液の中で画像を確認して 定着液で黒の締まりを確認していくうちに

だんだんと黒が強すぎることに焦りを覚えた(笑)

そこで今度は露光時間を0.5秒減らし 焼き込みも少し抑えた

コントラストを上げたくなかったし やはり柔らかいトーンにしたいからフィルターは無し


出来上がったプリントに「いいじゃん!」と思った

なんとか時間内に2枚のプリントをして その両方を先生にチェックしてもらう

ことの成り行きを説明しながら自分なりのイメージと それに基づく根拠でプリントしたことを述べる

すると先生はさらに色々と細かいところまでチェックを入れて下さった

技術的なことではなく 表現的なアドヴァイスだ

「これでも良いけど・・・ 〇〇した方が全体的に雰囲気が良くなると思うよ」

言われてみると「なるほど」と思う


「でも君の写真そのものは良いね。構図にしても女性の雰囲気にしても露出も良い」

お世辞かもしれないけど そう言われるとやはり嬉しかった

プリント界の重鎮だし 先生ご本人も写真家としてご活躍されている人だ


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今回はFOMA PAN400 をMAMIYA645 に135フィルムバックを装着して撮影した

現像液はD76

今までならこの組み合わせはもうしない

でも現像が上がったネガを見て『綺麗だな』とまず思った

実際にプリントして粒子が大きいことも想定内だったのだが

PC でスキャンした粒子とは全く違うことがわかる

プリントした粒子は大きくても「綺麗」に見える

それが「味」になるのだ

少々 黒が潰れかけたが

もし私が今 取り組んでいる現像液やフィルムで現像されたネガならどうなるか?

そう思うと楽しみが無限に広がった!


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ちなみに今まで通りにフィルムを直接スキャンした画像が以下のもの

b0366473_20115250.jpg


b0366473_20120577.jpg

b0366473_20121443.jpg


プリントした写真も そのままスキャナに乗せてスキャンしているので本当の質感は伝わっていない

でもフィルムをスキャンしたものとは明らかに違うことがお分かり頂けると思う


やはりプリントをしないことには「写真撮影」は終わらない

まずは「慣れる」から始まったが これからは月に1度は通ってさらに表現を広げたいと思った

現像を教えてくれたアシスタントの方とは本当にじっくりと色々な話ができて面白かった

今日は私一人だけだったので先生ともお昼をご一緒させてもらえたし貴重な体験ができた


今まではプリントした時のイメージが無かった状態で撮影をしていた

これからは この工程までも含めた撮影ができるようになるのではないかと楽しみになった


そして何時かは 私が憧れる木ノ下晃のステージ写真に近づけるモノクロプリントを焼いてみたい


今回プリントしたものは 彼女に差し上げるつもりだが

失敗した一枚は部屋に飾っておこうと思う

いつの日か それを見てフフッと笑えることができれば良いなぁと思う。。。












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by pianoartech312 | 2016-11-25 19:00 | 現像関連 | Comments(0)