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鎌倉という街は山に囲まれた土地で

浜から少しでも離れると強風の影響はさほど感じなくなる

私からしたら近所ということもあるが 飽きる街ではない

しかし だからと言って誰もがここで「絵になる」訳でもないことはよく知っている

そして出来ることなら鎌倉は「雨」が良い

特に梅雨時期のシトシトと降るような雨は実に風情があって良いのだ

だから次にリベンジをするときは その頃が良いと思っている


「今日のランチは何が良い?」

ファインダーを覗きながら私は彼女に聞いた

今思えば 初めて彼女を撮影したときは彼女なりに緊張していて

どんどん話しかけて気持ちをリラックスさせることに意識を置いた

ところが最近はそうした雰囲気は一切なく

彼女もそれだけ慣れたということなのだ

「ん・・・何でもいいかな」

「それが一番ツマラナイ答えだよ。せめて『系統』だけでもないの?」

「系統?」

「例えば『和食』とか『洋食』とか『イタリアン』とか」

「そーねぇ。。。何でもいいわ」

「焼肉でもいいのか?」

私は意地悪をした

「それは無いわね」

彼女が笑った

どんな答えが返って来ても行く所の候補は二、三ヶ所しかない

「本当はここで撮影するときは雨がベストなんだよ」

「何で?」

「とにかく雰囲気がガラリと変わる。砂利が濡れているだけで重みが出る」

「なるほど。。。」

「両脇の木々の緑が濃くなるし、向こうに見える門の瓦も重みが出る」

「あぁ… そうかも。。。」

「和服なら尚いいね」


彼女も和服姿なら問題なく絵になるはずだ

ただ それだけで和服を着てもらうのも申し訳ない

今日みたいな白を基調にした服装なら彼女の魅力を十分に引き出せる

さて そろそろランチタイムだ。。。








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by pianoartech312 | 2017-02-25 19:00 | Portrait | Comments(0)

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「春二番」という言葉があるとは思えないが

つい先日の「春一番」から三日後に同じような天気になった

しかし今思えば あの日よりも風は強く 交通の被害も大きかった

「春一番」の条件を満たしてしまったから三日前が認定されたが

そうでなければ この日が正真の「春一番」だったはずだ

午後からは急速に天候が悪化する予報になっていたので

当初予定していた場所での撮影は中止することにした

足場も悪く 危険が伴う可能性があるからだ

そうでなくても この強風で浜での撮影や 浜からほど近い路地裏での撮影も諦めざるを得ない

欲しかった「絵」がまるで撮れない状況の中で久しぶりに彼女を撮ることになった

ただ救いは南風だったために寒くなかったということ

鎌倉においては彼女に見せたい景色がたくさんあった

今回はそれが叶わなかったが また梅雨の頃にもう一度 ここで彼女を撮りたい



江ノ電を間近に見ることができる線路脇で電車待ちの彼女を捉えた

「どうして帽子を?」

彼女が帽子をかぶる姿を初めて見た気がしたので私は彼女に聞いた

「風が強いから、髪が降り乱されると思って…」

「でも、帽子が飛ばされるとは思わなかった?」

彼女の根拠を私があっさりと否定してしまったので彼女も笑うしかなかった

いつも白を基調にしたファッションなのだが 彼女にはそれがよく似合っている

大幅な予定変更を余儀なくされて 今日はどうしようか?と考えている

日差しが眩しく 暑さすら感じ始めてきた。。。





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by pianoartech312 | 2017-02-24 19:00 | Portrait | Comments(0)

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【 モノクロフィルムの比較 】

今回の撮影では本当に久しぶりにOLYMPUS OM-3Ti を使ってみた

そしてKodak 400TX とD-76 の組み合わせも3年ぶりくらいかもしれない

今回は光量不足の状況で撮影することが多くなることがわかっていたので

本当の意味で「微粒子」にしてみようかと考えた

そうでなければロジナールで処理していた

現像を終えて乾燥のために吊るしてみると

「あぁ、このネガだ・・・」

実に美しいネガが出来上がった

1+1 20℃ 9分45秒

これ以上ないというくらいの「基本処理」だ

スキャニングをしても その感覚は変わらない

少々 黒が潰れる癖はともかく

これなら普通にプリントしても無理がなく表現できる

シャドウとハイライトの適当なコントラスト

独特のグレー

今回のネガをプリントするのが楽しみでならない



OLYMPUS OM-3Ti
zuiko 50mm F1.4
ND-4 使用
Kodak 400-TX
Kodak D-76
1+1 20℃ 9:45




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by pianoartech312 | 2017-02-23 19:00 | Portrait | Comments(0)

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建物の中にいると さほど風を感じなかったけれど

やはり外に出れば容赦なく春一番が吹き付けてくる

併設のカフェに入ってお互い甘いものを食べてホッと一息

天気は良いのだが時間が経過するにつれて風に冷たさが混じるような気がした

東京湾に注ぐ川の 「桟橋」とも呼べるところで彼女を撮ってみた

川面の反射を利用するにはちょっと厳しい状態だったけれど

それでも彼女の背後を照らすそれはとても綺麗だった

私は彼女には直接言ったことはないけれど

彼女の一番綺麗な角度を知っている

彼女の左側から 右目が少しだけ見えるような角度で彼女の視線をコントロールする

普段の彼女とは少し違った表情になる

でもきっと勘の良い彼女なら気付いていたかもしれない

今日は執拗にそうした角度を要求したからな

本当は真冬の彼女を残したかったけれど これはこれで仕方がない

でも「春一番」に当たったことは偶然にしては良い記念になったのではないかな

川面を吹き抜ける風が砂埃を舞い上げた

彼女は目を閉じてそれを避けようとする

偶然にも彼女の一番綺麗な角度を捉えることができた




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by pianoartech312 | 2017-02-22 19:00 | Portrait | Comments(0)

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時代劇などでよく見かける「長屋」があった

建物そのものは本当に質素だが思ったよりも広くて悪くない

冬は寒いかもしれないが 夏場は案外と風通しも良く涼しいかもしれないと思った

「あぁ… 悪くないね」

「こういう所が好きなのね」

「ん… そうかもしれないな。でも一人で暮らすのならこれで十分だと思うよ」

「そうねぇ。。。でもなんだか独居房みたいだわ」

どこからともなく梅の花の香りがした

この「部屋」にあるちゃぶ台の上に花びらがいくつか落ちている

「窓」と呼んだら良いのだろうか そこから見える正面の母屋の脇に梅の木があって満開の花をつけている

「私は小さい頃から狭い所とか暗い所が好きだった」

「普通は反対じゃない?」

「そうだね。だから親に叱られて押入れに入れられても何とも思わなかったし嬉しかった」

「それじゃ、お仕置きの意味がないわね」

彼女が笑った

「それじゃあ、その窓の脇に座ってくれる?」

「こんな感じ?」

彼女に対して「座る」と言えば 彼女はいつも「正座」して座る

それは前回もそうだったのだが 彼女の座る姿は実に良い

「いや、今日は『体育座り』が良いな」

「体育座り?!」

「別に小学生がやるみたいに座らなくて良い。要するに膝を立てて壁に背中を預けてもらえれば良いよ」

それには理由があった

いくら広いと思えてもやはり6畳程度の広さ

レンズにも限界があるからどうしても足が収まらない

それなら ちゃぶ台を前ボケにして足を隠してしまえば良い

膝を立てて座ってもらえれば 彼女の体のラインは自ずと見える

この状況の中で リラックスしている様子がわかればそれで良かった

2月だというのに ジーンズの裾から素足がのぞいている

この春一番のおかげで そんなラフな彼女の一面を残すことができたのかな

こういう彼女の表情は・・・ 何だか良かった






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by pianoartech312 | 2017-02-21 19:00 | Portrait | Comments(0)

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「私、時間があればいつもこうして日光浴をするの」

「へぇ。それはイイね」

「何も考えずにボーッとしているのは幸せだわぁ」

「そうかもしれないな。。。気持ちイイもんな♪」

彼女は古民家の縁側に座ると全身に日差しを浴びた

ここだと建物に囲まれていることもあって さほど風の影響がない

風があっても暖かいのだから

それを感じなければ さらに暖かさを感じることができる

今の時代 こうして縁側で日向ぼっこをするなんて贅沢な話だ


彼女はすぐ脇にあったミシンに気付いた

「あぁ、これ、ミシンよね?」

「そうだね。足踏みミシンだね。うまく踏まないと反対に回ってしまうから難しいんだ」

「私は電動でも難しいわ」

彼女はケタケタと笑う

「なんで?」

「私、裁縫が苦手なのよ。ミシンも持っているけどうまく扱えないの」

意外だった

手先が器用とか不器用ではなく

裁縫にしろ 編み物にしろ 一級品とまではいわなくても そつなくこなすイメージがあった

「そーなの?じゃあ編み物とかも?」

「ダメだわ」

「高校生の頃とか、好きな男の子に手編みのマフラーを編むとかしなかった?」

「だって、買ったほうがいいじゃない♪」

そういう時の彼女の笑顔は本当に子供っぽくて憎めない

なんの恥じらいもなく ごくごく当然という意識の中で発言する彼女の表情はとてもいい

しかし私の中の彼女のイメージはだいぶ崩れてしまった…



でも彼女にしかないその雰囲気は私の写真の中で活かされるのであれば十分だ

私の中の彼女はいつまでも変わらないと思っている





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by pianoartech312 | 2017-02-20 19:00 | Portrait | Comments(0)

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「春一番」が通り過ぎたらしい

「桜の開花」のプレイペント的な意味合いも含まれるような季節用語で私はあまり好きではない

彼女と訪れたこの場所の近くには東京湾に注ぐ川があって

その昔は この川の両岸を漁師屋敷が立ち並ぶ光景が見られたと言われている

その面影は今でもあって どこからともなく潮の香りがするような気もした

今となっては護岸整備がされ その川に沿って永遠と言えるくらいの桜並木が続くのだ

桜の開花予想が本格的に天気予報で流れ始めるこの季節は本当に憂鬱になる


「どうして?これから段々暖かくなると思うとウキウキしない?」

「・・・しないなぁ。。」

どうやら彼女は春の訪れが楽しみでならないらしい

「花粉症なの?」

「いいや。おかげさまで未だに症状はないよ」

「でも今日は暖かくてよかった♪」

「でも風が強すぎるね。春一番になるとかテレビで言ってたよ」

「もう髪がひどいわ。。。」

長い髪を後ろでまとめている彼女を初めて見たかもしれない

そうでもしないと今日の強風には耐えられそうにない


漁師の住まいを再現した家屋が立ち並び 

それぞれが私の子供の頃にはまだ現実に存在した景色であっても

彼女にとっては遠い記憶の中の ほんの微かな物でしかないようだった

全てのものに興味津々で やたらと扉や引き出しを開けては喜んでいる

そんなレトロな背景の中で彼女をどう表現するか?

それをずっと前から妄想していた

子供っぽく笑う彼女の表情がこの景色の中に心地よく収まると思っていた

さて 今日はどんな記憶が残せるのかな・・・

今年の「春一番」に彼女を残してみるのもイイものだと思った








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by pianoartech312 | 2017-02-19 19:00 | Portrait | Comments(0)

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今回は標準希釈とされている1+50 で処理されたサンプルを

はっきり言ってモニターではその違いは見えない

しかし実際にプリントして見るとその違いの大きさに気づくのだ

この作例はカメラの露出の限界を超えていてオーバーになってしまったもの

それでもどうにか「収まった」ものだ


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これは以前にD-76 で NEOPANACROS を増感したという作例と同じ状況で撮影したものだが

タイプライター後方の黒の潰れ方がまるで違うことがお気づきになるはず

もちろんフィルムの性格の違いは大きいが ネガで見てもこの部分は潰れている

それがロジナールの一つの特徴でもある

しかしタイプライター前方のデスクの木目は綺麗だし

適当な粒子の荒れも綺麗だと言える

このくらいの荒れ方が今の私の好みだ

なのでここ最近はロジナールで現像するときは1+50 で規定時間よりも少し長めに現像している

時間を少し長くすることと 温度を1度上げることで黒とコントラストをコントロールできる

もちろん これもフィルムの性格をよく知っていないと失敗するから注意が必要だ


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さて 7回に渡って連載したこのシリーズで

それぞれの現像液の特徴と扱い方が少しでも参考になって頂けたら嬉しく思う

ただ いつも記すがモニター上の画像は参考にしかならない

プリントすると「まるで」違うものになるということを前提に見て欲しい


今年の私は フィルムと撮影時の状況に応じてD-76 と Rodinal を使い分けることにしている

何があっても「美しいネガ」を作ることを最優先にしてこの現像液での処理を楽しみにしている

最近 私は気がついたことがある

以前 暗室のスタッフに「プリントすることが好きなんですね?」と言われて返答できなかったと記したが

今は明確になった

私は撮影はもちろんだが プリントするよりも「現像する過程」が大好きなのだ

プリントは何度でもやり直しが効く

しかし現像は一発勝負のシビアな世界だ

だからとても緊張するし 現像液を注入する直前まで時間や温度に迷う

その結果 良いネガができた時の喜びはない

おそらく 今後は多くのテストをすることは無い

フィルムと現像液と処理方法が固まったから

あとは細かい部分の設定だ

そして何よりも撮影時の「適正露出」と「性格なフォーカス」は大前提

とにかく 今の自分が面白くて仕方がない







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by pianoartech312 | 2017-02-18 19:00 | Portrait | Comments(0)

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ロジナールの標準希釈は1+50 とされている

それよりも濃くすればコントラストが上がり 粒子も目立つ

薄くすればコントラストが控えめになり 粒子も小さくなる

この作例は濃くしたネガで1+25 

フィルムは前回の作例にあった静止現像したネガと同じなのに こんなにも質感が変わる

このくらいだと「モノクロームらしさ」があると言えるのではないか?

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この作例も上の写真と同じシリーズのフィルムを使用して1+25 で処理しているが

ISO80 で「スーパー・パンクロマチック」と呼ばれるタイプのフィルムなので

元々 解像度も高くシャープネスとコントラストも高い

それゆえ 同じ処理でも質感がだいぶ違う

D-76 ほど多くのフィルムに対して寛容ではないが

それでも時にハッとするような画像を結んでくれるのがこのロジナールだと思う





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by pianoartech312 | 2017-02-17 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

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先月の記事でも同タイトルで掲載していますが

今回はその続きということでご了承頂きたい

D-76 は微粒子タイプの現像液だと記しました

しかし中にはモノクロフィルムの適度に荒れた粒子が良いという人がいるとも記しました

それでは その粒子をもう少し適度にコントロールできる現像液はないか?

それがこのロジナール(Rodinal)だと思っている

元々は微粒子ではない現像液で 普通に現像処理すればフィルムによってはかなり粒子が目立ちます

それも大きくしっかりした形になることも・・・

それはとんでもないシャープネスと引き換えなのかもしれませんが

何れにしてもそう言った現像液であることは前回も記したと思う

作例は 1+100 の静止現像

そのために粒子らしい粒子は見えないし コントラストも控えめになる

ただフィルムが元々コントラストが強い性格なのでそれをカバーしている

つまり こうした性格を汲んでこの現像液と組み合わせれば色々と質感をコントロールできると言える

私個人としてはロジナールで行う静止現像はとても素晴らしい処方だとは思うが

ツルツル感が際立ってしまってモノクロームらしさに欠けると感じる


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しかし中には「例外」もあって この写真に関してはどうにもならないくらいの粒子が出てしまった

元々このフィルムは粒子が大きくて荒いと評判だった

もちろん それが「味」として表現されるならそれも一考だ

実際にシノゴで撮影された写真を見ると実に雰囲気があって素晴らしいから驚く

この作例は35mm で撮影しているが実際にプリントしてもザラザラだった

これでもロジナールを1+100 希釈にして70分の静止現像しているのだ

この写真を「素晴らしい!」と言ってくれる人も存在するが

私は「ちょっと無理かな・・・」と感じている(笑)

このフィルムは特別な例外として

それでは他の希釈で現像処理されたネガはどうなるのか?

それはまた改めてということで・・・







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by pianoartech312 | 2017-02-16 19:00 | 現像関連 | Comments(0)