La Fin Du Jour(5)

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何とかして水面のキラキラを背景に彼女を撮りたいと思った

ちょうど池に注ぎ込む水路が良い具合にキラキラしていた

「自分の顔の中で好きなところはある?」

私は撮影する女性に必ず聞く

たいていの人は嫌いなところは即答できても

好きなところはなかなか言えない

しかし彼女は違った

「長いまつげ!」

言われてみてマジマジと彼女の目を見ると・・・

確かに長くて綺麗だ

「それ、本物?」

「当たり前でしょ!」

彼女が口を尖らせた

でも そう言いたくなるほどの見事なまつ毛だったのだ

「よし、それじゃ、それを生かそう♪」

ところが それがなかなか上手く行かない

まつ毛だけにフォーカスを当てれば難しくはない

でも今は背景のキラキラが欲しいのだ

それで彼女の横顔を後ろから狙った

右目のまつ毛が目立つようにしようと考えたのだが

彼女の唇が綺麗に輝いたのを見たら それに釣られてしまった

先ほどもそうだったが 彼女には失礼かもしれないけれど

彼女の横顔は本当に美しいと見とれてしまった






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# by pianoartech312 | 2017-03-20 19:00 | Portrait | Comments(0)

La Fin Du Jour(4)

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「ここ、実は5時に閉園するのよ」

私は口にしていたコーヒーを吹き出すかもしれないくらい驚いた

「ええっ!?本当に?」

「そうなの。まぁ、子供を連れてくる親からしたら有難いんだけどね」

彼女が笑った

「そうだったのか!それじゃ、こんなノンビリしていられないな」

私たちは早々にゴミを捨てて席を立った

まだまだ行きたいところはたくさんあったのに

あと1時間もない状態で大丈夫なのか?と心配になった

まぁ それでも焦っても仕方がない

まずはこの池の周りで撮ってみようと思った

湖面の輝きを入れるには方角がうまく合わない

仕方ないのでそれは諦めるとしても

なんとか良い状況が作り出せないものか。。。

フッと彼女の方を見ると池の向こうを見つめている

彼女は手の使い方が上手い

自然と「クロスの法則」を実践するから天性のものだ

同じ「髪を触る仕草」にしても右手で右側を触るか左側を触るかで雰囲気は全く変わる

それが「クロスの法則」と言われるものなのだ

足の使い方も同じことが言える

彼女は足を揃えることをしない

それもまた天性のものだと感心する

彼女のプロフィールは実に美しいと思う

正面からの表情とはまるで違った人に見える

でもそれが私がイメージする彼女なのかもしれない

この瞬間を捉えることができたのは偶然だったかもしれない





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# by pianoartech312 | 2017-03-19 19:00 | Portrait | Comments(0)

La Fin Du Jour(3)

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園内を歩きながら 雰囲気のある場所を見つけて彼女を撮った

はじめに1周しているから今は2周めということになる

でも最初には足を運ばなかった場所もあって 今度はそういう場所にも行こうと考えた

この公園にもちょっとした池があってボートに乗ることができる

その船着き場には軽食が採れるお店もあって何人かが外のテーブルでコーヒーを飲んでいる

ちょっとお腹が空いたからと 彼女はこの店に入り何かを注文している

私もコーヒーを飲もうと思って彼女に一緒に注文してもらえる様にお願いして外で待っていた

私が中を覗くと彼女がベンチに座っている

彼女の向こう側にあるドアのガラス越しに届く午後の光が彼女を照らす

その姿が実に綺麗だった

「どうしたの?」

私は彼女に近づいて声をかけた

「今から作るから少し待ってて下さい… だって♪」

「そうか」

私は彼女の言葉も上の空状態で聞き流す

「どうしたの?」

今度は彼女が私を不思議そうに見て言った

「そこに座っている君があまりにも綺麗だったから見とれていた」

彼女は笑った

「もし君が白いアウターでも着ていたら、もっと柔らかく顔が明るくなったはずだ」

「え?」

「今日は黒のレザーでしょ?だから影響が少ない」

彼女はまだ私の言うことが理解できていない様子だ

「撮ってみればわかる」

私はそのままの彼女をまず撮った

「少し手首が出るくらいにして顔のそばに寄せてごらん」

彼女は右手で左側の首筋を触る仕草をして見せた

「いいねぇ。。。」

その状態でシャッターを切ってみる

「ほら、それだけでも顔が明るくなるでしょ?」

私はカメラのモニターを彼女に見せた

「ほんとだ!綺麗♪」

元々 綺麗な人なんだから それなりのライティングを作ればさらに綺麗になるのは当たり前だ

そんなことをしているうちに彼女が注文したものが出来上がった

私と彼女は外のテーブルに座り 陽だまりの中でしばしのティタイムを楽しんだ


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# by pianoartech312 | 2017-03-18 19:00 | Portrait | Comments(0)

La Fin Du Jour(2)

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ここはアンデルセン公園

もちろん あのアンデルセンだ

デンマークの童話作家

誰もが一度は何かしらの作品に触れているはずだ

ここも一度訪ねてみたかった

思っていたよりも整備された公園で 建物の作りもとてもいい

花壇には冬の花が色鮮やかに揃っていて

どこからともなくいい香りもしてくる

子供はもちろん 大人だって十分に楽しめる公園だと思う

でも今回も私は初めてだったので まずは彼女とこの園内を一回りしてみることにした

寒くもないが 時折吹き付ける風の中には まだまだ冬の冷たさがしっかりと残っていて

それでも一緒に運ばれてくる花の香りがそっと冬を押しのけているようにも思える

彼女はここの常連らしい

なのでガイド役になってもらいながら色々と話をしていた


「今日は何を着て来ようか迷ったのよ。。。」

彼女が本当に悩んだ末の今日の服装だと知った

「へぇ。そんなに考えることなんかないのに」

「でも『あまり華美にならないように』って怜さんが言うから・・・」

「普段、そんなに派手な格好をしているの?」

私は彼女のそんな姿が想像できなかった

「そうねぇ。。。意外と明るめの色で、派手な服が多いかしら」

「別にそれでもよかったのに」

「怜さんのイメージを壊してしまいそうで怖かったのよ」

「私がどんなイメージを持っていると?」

「それは分からないわ。でも怜さんの写真は『風景の中の女性』だと思うから・・」

「へぇ、それはすごいね。そこまで汲み取ってくれるんだ♪」

「違うの?」

「いや、君の言う通り。でも君は背が高いから存在感が十分だよ」

私は笑った

「まずは記念写真的に撮ってみよう。ここだとわかる背景を選んでみてね」

ショップが入った真っ赤な建物を背景にして彼女を捉えてみる

デンマークの国旗があれば、それっぽい

偶然にも風が吹いた

彼女の前髪を乱してしまったが それもまた悪くない

私らしからぬ派手な色になったが これはこれで記念になった








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# by pianoartech312 | 2017-03-17 19:00 | Portrait | Comments(0)

La Fin Du Jour(1)

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初めて彼女に会ったのは ちょうど昨年の今頃だったと思う

彼女を見た瞬間 単純に「撮りたい」と思った

なぜなら すでにその時には私の頭の中に音楽が流れ 彼女を撮影するイメージが出来上がっていたから

彼女は顔をくしゃくしゃにして笑う

その笑顔がたまらなく可愛らしい

でも私のイメージは全く反対だった

彼女はいたってドライであり でも冷めているわけではない

雨が似合う女性で でも雨を楽しむことができる

真っ白な壁の殺風景なカフェの いつも座る窓側で

シトシトと雨の降る午前中を コーヒーを飲みながらハードカヴァーを読んでいる彼女がいる

話の中に入り込んだ彼女は 窓の外を見てはフッと微笑む

きっとそんな雨のシーンが小説の中で展開されているのかもしれないな

実に静寂な時間が流れる中で彼女は存在している


だから今日 彼女の姿を見て青系統の衣服に身を包み

レザーのジャケットを着て来たことにちょっと驚いた

なんだか ちょっとした外国人モデルみたいに見える

今日がどんな日になるのか

私も楽しみでならない




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# by pianoartech312 | 2017-03-16 19:00 | Portrait | Comments(0)