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Kodak D-76 を考える(3)

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モノクロ写真の魅力を「適度な粒子感」と捉えている人は少なくない

デジカメで撮影した画像に敢えてノイズを入れる表現すらあるのだから

演出として認められているのだろう

しかしデジタルの粒子は揃いすぎる

そもそもモノクロフィルムの画像は粒子の一粒一粒が色々な形で集合してできている

だから大きさも並びも揃わないし シャドウとハイライトではその数も違う

D-76 は微粒子と記した

確かにそうなのだが 全てのフィルムに対してそうなるものではない

それはフィルムの性格もあるので単純に「微粒子現像液だから使わない」と言う人がいたら惜しい

Kodak 400-TX との組み合わせだと微粒子なネガになる

もちろん『極微粒子』ではない

でもとても綺麗な「微粒子」になるのだ

「昔と違って、最近のTRI-X とD-76 は粒子が綺麗になったよなぁ。。。」

という意見もあって 不満を感じている人が多くいることも事実だ


PC でスキャンした画像だと粒子よりもデジタルノイズが目立ってしまって勘違いする

実際にプリントすると綺麗なプリントになって「モノクロフィルムらしくない・・・」と嘆く人もいるから面白い

そんな人にオススメなのはFOMAPAN400 Action との組み合わせだ


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反対に言うと このフィルムは粒子が大きい

それを嫌う人もいる

確かにD-76 をストック(原液)で処理するとかなり粒子が目立つ

それを1+1 希釈で処理すればだいぶ変わる

そして適当な粒子感があって綺麗になる

何よりもこのフィルムは粒子が大きいことを除けば 400-TX の表現に近いと思っている

作例はストック処理したものだが 実際にこれをプリントするとかなりなザラザラ感がある

でもこんな雰囲気の中で撮影された絵であるならば そのくらいの方がより一層の雰囲気が出る


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この写真はFOMAPAN400 をD-76 1+1 希釈で処理したもの

かなりシャープネスも上がり スッキリしている印象がある

この現像液はストックから1+3 もしくは1+5まで処理することもできる

フィルムとの相性をうまく活かせばイメージにあったネガを作ることが可能なはずだ

一つだけ不満がある

できるならば濃縮液があると大変嬉しい

パウダーで現像液を作り 一晩寝かせることが必要とされているのは少々面倒だ






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# by pianoartech312 | 2017-02-15 19:00 | Portrait | Comments(0)

Kodak D-76 を考える(2)

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例えば 平型粒子タイプのフィルムで階調性を豊かにしたい

ザラザラ感を少しでも少なくしたい

そう思ってKodak T-MAX シリーズやILFORD DELTA シリーズ NEOPAN ACROS100 を選択しても

D-76 は応えてくれる

まぁ 少々は粒子が目立つかもしれないが・・・

もちろん 専用現像液を使用するに越したことはない

ただ増感に対する適応力はD-76 の方が優れているように感じる

120 サイズのフィルムなら粒子の荒れを感じさせない

作例はKodak T-MAX100 をD-76 で処理している

曇り空で日差しや影もなくコントラストが低い状況だった

それでもベンチの色や質感 手前にある桜の木の幹は存在感がある

プリントしても十分に表現はできると思う



以前 NEOPAN ACROS100 をD-76 で2段増感した経験がある

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これがその写真

輝度差の大きい厳しい状況ではあるが

向こうのカーテンのヒダ

タイプライター後方のデスクの木目がしっかり出ている

このフィルムの特徴であるシャープネスもしっかりある

正直なところ この結果には大変驚いた

このくらいの無理も利いてしまうのがこの現像液なのかもしれない














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# by pianoartech312 | 2017-02-14 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

Kodak D-76 を考える(1)

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今更ながら この現像液に向き合って見る

簡単な歴史を記すと1927年にイーストマン・コダックが開発した現像液だ

おそらく世界で一番使用され(ている)た現像液だろう

薬品組成は単純で自家配合することができる

・750cc の水

・メトール 2g

・無水亜硫酸ナトリウム 100g

・ハイドロキノン 5g

・臭化カリウム 2g

これらを順番に溶解して水を加え 1000cc とするとD-76 に成る

私の知り合いにもこれを元にオリジナル配合で特徴の違う現像液を作る人がいた

多くのメーカーがこれに習って独自の『D-76』(名称は変えている)を販売している

この現像液の特徴を述べよと言われると困る

ただ余りにも有名で 簡単に入手できるし標準現像液と謳われていると

なんだか「初心者向け」と勘違いされてしまう

だからモノクロフィルムにハマって少々色気付いてくると他の現像液に走る(笑)

私もその一人だったから・・・

とにかく「微粒子」「黒の締まり」「適度なコントラスト」「許容範囲が広い」が特徴

ただ静止現像には向かない

あとは希釈比率を変えることでコントラストとシャープネスのコントロールが可能だ

そして現像するフィルムを選ばない

ほとんど全てのモノクロフィルムにはD-76 の処方が記されている

また殆ど全てのモノクロフィルムはこのD-76 で現像すると「標準ネガ」になる前提で作られている(らしい)


作例はKodak 400-TX で撮影してD-76 1+1で現像処理したもの

プラスマイナス1段程度なら露出ミスを許してもらえる

なので曇り空などでコントラストが得られない状況で撮影されたネガでもそれなりのプリントができるのだ


もちろん適正露出をすれば より一層素晴らしいネガになり 何もすることなくプリントが容易にできるはずだ

ここ最近は何度も何度も繰り返して記すが

プリントをするようになってからこの組み合わせが最強であることを確認している

まずほとんどの被写体で適切なネガになることと思う

プリント時に覆い焼きなどで露光をコントロールすればハイライトは柔らかくなるしシャドウも潰れない


フィルムはともかく 現像液に迷うことがあればまずはこれを試してほしい








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# by pianoartech312 | 2017-02-13 19:00 | 現像関連 | Comments(0)

『写真』の完成形

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私は以前から「写真はプリントをして完成する」と言ってきた

今でもその考え方には変わりはないが

ではプリントされた写真はどうなるのか?

私の場合は女性を撮影することがほとんどなので

モデルとなってくれた女性に差し上げることにしている

そのほかにコピー(つまり焼き増し)をデータ用として保存しておく

テストプリントや焼き直しをしたプリントについても保存はしておくが

それらのプリントを額装して飾ることにしてみた

過去に撮影したカラーネガやポジの写真は数点だけ飾っている

しかし自分が焼いたモノクロプリントをそこに並べるとちょっと感動する

たかだかキャビネサイズのプリントでも存在感があることに驚く

「あぁ、これが本当の『完成形』なんだな・・・」

そう思えた

今後撮影する女性にもプリントしたモノクローム写真を差し上げるつもりだ

ちょっとした所に飾ってもらえたら私は本当に嬉しく思う

この1枚を撮影・現像・プリントの工程を経て完成させるには多くの手間と時間と経費もかかる

それだけ私の「気持ち」が込められていることを伝えてみたい

形はどうでもいい

デジタルでもいいのだ

紙として出力して飾る行為が大切なことなんだ

スマホの中やハードディスクの中に留めておいては意味がない

SNS の中で見ることができてもそれは見る人それぞれの環境で違うものになってしまう

私はもっとプリント技術を磨きたいし 現像技術も研究していく

これが今の私の『表現としての完成形』だからだ




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# by pianoartech312 | 2017-02-12 19:00 | Portrait | Comments(0)

TX-400 と Rodinal

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前々回の「追記」という形で記したいと思う

今回の撮影ではTX-400 でも撮影している

本当に久しぶりに購入したので楽しみだった

実際にプリントする様になってから このTX-400(Tri-x400)の万能さに感服している

そして純正となるD-76 現像液との組み合わせは恐らく最も基本でありながら最強だと思っている

しかしこの組みわせだとかなり綺麗なネガになることを知っている

少しでもザラつきが欲しいと思うと頼りになるのはRodinalということになるのだ

こうしてスキャンした画像では「粒子」ではなく「ノイズ」として出てしまうので

実際のプリントでは意外と綺麗な粒子となるので拍子抜けする

先日のプリントではこの組み合わせによるネガもプリントしている

露光時間さえ適切であれば粒子は程よく荒れていて「それ」っぽい

本当は理想的なのだが 何と言ってもこのフィルムは高い!

なので代用品としてFOMAPAN400 Action があるのだが

これとD-76 だとかなり粒子が大きくなってしまう

もちろんRodinal だと尚更大きくなる

ということになれば次なる手は・・・

Rodinal におけるStand-develop だ

しかし静止現像は本当に粒子が細かくなり ノッペリしてしまう

そこで完全なものではなく「Semi Stand」にすればある程度は粒子も出るだろうとみているが・・・

次回のプリント実習までにはそれも試してみようと思っている


YASICA Lynx14
YASHINON-DX 45mm F1.4
Kodak TX-400
R09 1+50 18℃ 13min.


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# by pianoartech312 | 2017-02-11 19:00 | Portrait | Comments(0)