再会(7)

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【モノクロフィルムの比較】

今回は前回の反省を踏まえて同じフィルム・同じ現像液での組み合わせで処理はしたものの

希釈を薄めてみることでコントラストを抑えてみた

また撮影時にY2フィルターを装着することをやめた

何れにしても今日の彼女は黄色いワンピースだったので

Y2フィルターを装着してはワンピースが白くなってしまったはずだ

そう言う意味でも今回のフィルター無しという選択は妥当だったと言える

さて そのネガの上がりはと言うと・・・

今回のネガも実際にプリントしてみたが

やはりコントラストが高く 0号フィルターを使うこともあった

それでもネガチェックの際にすでに「硬い」と言うことが明白だったので

プリント時も戸惑うことはなかったが 希釈を変えたところでこの組み合わせは避けた方が良い

ただ同時にFOMAPAN200 Creative で撮影し 同様にRollei Supergrain で処理したネガは素晴らしかった

プリント時にフィルターを装着することなくストレートでも適度なコントラストとシャドウが良かった

また粒子も小粒で綺麗に揃っているのが印象的

FOMA のフィルムにはこの現像液がよく合っていたと言える

今後はRollei RetroシリーズやSuperpan200

独特な性格のFOMAPAN100 Classic に関してはD-76で処理することにする

フィルムの性格そのものはとても好みなので 状況に応じて使用していきたい



MAMIYA645ProTL
SEKOR C80mm F1.9
Rollei Superpan200
Rollei Supergrain
1+12 21℃ 10min.




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# by pianoartech312 | 2017-06-09 19:00 | Portrait | Comments(0)

再会(6)

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なんとか天気が持ちこたえてくれた

その代わり湿度は高く 少し動けば背中にもしっとりと汗を感じるような気候だった

それでも日陰に入り 風に当たると心地よく

今頃の季節独特の匂いと鎌倉の自然は彼女にも心地良かったに違いない

最後に訪ねたのは鎌倉なら誰でも行くと思われる鶴岡八幡宮・・・

と言いたいところだが私はそうはしない

その隣にある神社が私は好きで よく背景にして女性を撮影している

おそらく多くの観光客は足を止めることはしないかもしれないし

今ここで記していても「そんなのあったかな?」と思われるかもしれない

しかし決して小さい神社ではなく 建物は重厚で背景の山々の深い緑と共演すれば

実に堂々とした姿であると私は思っている

彼女もここは知らなかったという

彼女が手水舎で自身の手を清める姿がとても良かった

夕方になり薄暗くなり始めた頃に もともと薄暗い境内の一角

誰もいない静かな場所で彼女が組み上げた柄杓の水が落ちる音だけが響く

今までとは違った神妙な表情も良かった


彼女にとって今日の鎌倉はどんな景色だったのだろう?

『人に案内された鎌倉は初めてで新鮮だったわ』

彼女は私にそう言ってくれた

私にしてみれば「いつものコース」に過ぎないが

それでも「新鮮だった」と言ってもらえると嬉しいものだ

今度はまた季節を変えて ・・・木々の葉が色づき始めた頃に彼女とここを訪ねてみたい

今日が彼女にとって「記念日」となったことも嬉しく思う


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# by pianoartech312 | 2017-06-08 19:00 | Portrait | Comments(0)

再会(5)

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鎌倉に戻った私たちはバスに乗って東へ向かった

平日の昼間でも観光客はそれなりに多く

何よりも修学旅行と思われる小学生が多くいて駅周辺はごった返していた

それでも目的地のバス停を降りてしまうと人はまばらになり

さらに歩を進めて行くと人は私と彼女だけになる

空高いところに旋回しているトビの鳴き声だけが聞こえる静かな時間が私と彼女を迎える

竹林で有名な寺を通り過ぎてしまうと本当に人はいない

けれど私はこの洋館が好きで 撮影する・しないに関わらず必ず女性をここに連れて来る

今日の彼女なら ちょっと古びたこの洋館の雰囲気が似合うのではないか?・・・そう思った

思っていたほどバラの株が多くなかったが それでもまだ咲いて間もない花が多くバラの香りが強く漂う

「ちょっと株が少なくなった感じがするなぁ。。。」

「でも綺麗だわぁ。庭が広いから少なく感じるんじゃない?」


イタリア式庭園が綺麗に手入れされていて芝生も緑が濃く美しい

奥には日本家屋があって 入ることはできないが周辺には菖蒲が綺麗に咲いている

紅葉が青々としていて気持ちがいい

左手は山の裾になっていて 少ないながらも湧き水が流れている

その水が小川になり ここの木々を潤しているのだ

その日陰に入ると本当に気持ちがいい

「ここは一年に春と秋の2日間ずつ公開されるんだ。でも実際入ってみると意外と面白くなかったよ」

「でも、このテラスは素敵。向こうに見える紅葉が綺麗で・・・」

「そうそう、秋になると此処からみる窓の向こうの紅葉が色づいて絵画のようになるんだ」

私はそのテラスの入口の前に彼女を立たせて 窓の向こうまで見える位置から彼女をとらえた

彼女が窓から部屋の中を覗く姿を見たときにハッとした

もちろん彼女は無意識だったとは思うが どことなく悲しげな眼が印象的だった

目を細くして笑う彼女が今まで見せたことのない表情だったから驚いたし それが本当に綺麗だった

彼女は秋の人かもしれない

晩秋から冬にかけての色が似合いそうだと思った

次はその頃に彼女を誘ってみよう




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# by pianoartech312 | 2017-06-07 19:00 | Portrait | Comments(0)

再会(4)

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鎌倉に来るときにはランチのお店がいくつか決まっていて

それを彼女たちに選んでもらうのが私のやり方だ

どれを選んだところで 同じような佇まいなのだがメニューはだいぶ違う

彼女は「軽食で良い」と言うのでこの店になった

軽食とはいえ実際にはかなりなボリュームがあって

私にしてみれば十分な「大盛り」なのだけれど・・・


テーブルに着いて色々と話をしていくうちに

だんだんと前回 彼女に逢った時のことを思い出した

もちろん初めて聞く話もあって驚くこともあるのだが

それでもイメージと言うか雰囲気と言うか

そうした感覚が戻ってきた

ちょっと早いけど いつものノートに今日の感想を書いてもらった

何を書いてくれたかはわからないけれど

そんな姿をデジタルカメラの電子シャッターモードとライブビュー状態で収めてみる

他の客に迷惑にならないようにシャッター音を消したかったのだ

彼女は一生懸命に言葉を選んで記してくれていたが

私が構えるカメラに気づいて いたずらに笑った

彼女のその笑顔がとても素敵で 一瞬 ドキッとした

「次はどこに行くの?」

開いていたノートを静かに閉じて ボールポイントペンを丁寧にしまうと彼女は私に聞いた

「バラが綺麗に咲いていると良いけどな・・・」

「バラ?」

「そう、バラ。今が見頃だからね。君とバラを一緒に収めて見たい」

「混雑してるかしら?」

「いや、多分それはないと思う。私が行くところはいつも人はいないから」

私は笑った

注文を取りに来た女性店員がプレートを持って来てくれた

想定外の大きさに彼女も驚いた様子だった

「私はここで食べると夕食は食べられなくなるよ」

「思っていたよりボリュームがあるわね。でも美味しそう♪」

話をしながらだと大盛りと思われる料理も意外と食べられてしまう


だんだんと空が明るくなって来た

また江ノ電に乗って鎌倉に戻る事にした




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# by pianoartech312 | 2017-06-06 19:00 | Portrait | Comments(0)

再会(3)

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「私ね、木目フェチなの♪」

「木目フェチ?!」

「この木目のなんとも言えない質感が好きなのよ」

「今までも変わった好みの女性はいたけど、木目は初めてだな」

私は笑った

ただ彼女の言いたいことが理解できなくはない

特に神社仏閣に於ける古い木造建築などに見る木目は実に素晴らしく

単に現れた木目と言うよりは それ自体がデザインされたものに思える

ランチ前の最後の撮影場所は古い神社だった

鎌倉独特の建築様式と言えるような

それこそ「木目」までもが意識された木組みは素晴らしく

武家文化の象徴的な建築物だと私は思っている

そんな場所に黄色いワンピースの彼女は場違いにも思えるが

それがまた面白い表現ができるかもしれないと思った

何だか少し彼女の表情が落ち着いてきた感じがする

これも「木目」の影響だろうか


こうした場所にいると 時間だけが静かに過ぎていく感覚が心地いい


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# by pianoartech312 | 2017-06-05 19:00 | Portrait | Comments(0)