再会(2)

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撮影したのは鎌倉

彼女からの希望でそうなった

彼女にとっては「想い出の地」らしく 今でも年に数回は訪ねてくるらしい

私は鎌倉に多くの女性を案内して撮影しているが 

そのどれもが「マニアック」な場所なのかもしれない

紫陽花にはまだ早いこともあって 激混みというほどの人出ではない

それに天気予報も芳しくなく いつ雨が降ってもおかしくない状況だった

私は彼女を連れて鎌倉の路地裏へ足を進める

行き先はメジャーな場所ではあるが そのルートが少し変わるだけで景色が変わる

彼女にしてみても『知らなかった』のならば私としても嬉しい

曇り空のぼんやりした空気感の中で彼女の黄色いワンピースは鮮やかに見える

まだまだ緊張しているのかな

もう少し撮影したらランチタイムにしよう・・・


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# by pianoartech312 | 2017-06-04 19:00 | Portrait | Comments(0)

再会(1)

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初めて彼女に逢ったのは3年前の夏だった

その時にも短い時間だったけれど彼女を撮っている

しかし時間の経過が長く 私の中の彼女の印象はまるで無いに等しかった

それならば『過去に彼女と逢っていて撮影したこともある』という意識を無くし

今日初めて彼女を撮ると言う姿勢で臨んだ方が余計な情報が無くていいのでは無いか?と思った

写真に撮られることが苦手と言う彼女は本当に緊張している

表情も動きも仕草も全てがぎこちなく 滑稽にさえ見える

それでも時折見せる屈託のない笑顔は本当に綺麗で

綺麗な口に 綺麗に並ぶ白い歯がとても健康的で良い

あの時を思い出す必要はない

まずは慣れることから初めてみよう…




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# by pianoartech312 | 2017-06-03 19:00 | Portrait | Comments(0)

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新兵器と言えば 新兵器になるか?

FOMAPAN100 やRollei Retro80s を中庸感度のフィルムのメインと考えていたが

先のプリントに於いてとても苦労した経験から止む無く銘柄を変えてみようと言うことに

FOMAPAN100 は実に個性があって好きなフィルムだ

同じくRollei Retro80s も独特の黒がとても好みだった

しかしプリントが難しい

もちろん現像液の選択や現像処理方法でコントラストはコントロールできる

暗室のスタッフにも色々と技術的な方法を教えてもらったが

今はテスト中のRollei Supergrain で進めてみたいのだ

そこで『純正』のRollei ブランドから伝統的なパンクロマチックフィルムを選択

以前にRPX400 は使用したが『可もなく不可もなし』な印象しかない

確かに粒子は細かい方だしシャープネスもあるしコントラストもそこそこ出る

ただグレーゾーンが広い印象があって ややネムイ気がした

今回のRPX100 のサンプル画像を見てみるとかなりコントラストが乗る

黒がしっかり出て ハイライトもしっかり出る

粒子が細かいのはもちろん シャープネスも高い

なのに女性ポートレイトは実に柔らかい

そんな印象があり 急遽このフィルムを注文してみた

早速 女性ポートレイトで使用してみたが結果については後日改めて報告する

値段が若干高めだが それなりの価値はありそうだ

結果が楽しみだ。。。





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# by pianoartech312 | 2017-06-02 19:00 | モノクロフィルム | Comments(0)

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今月は4回も暗室に行くことが出来た

3月・4月と1回だけしか行くことが出来なかったので取り返したと言う所か(笑)

さて 今日は前回の教訓もありわずかではあるが対策を施して臨んだ

それでも前回と同様に硬いネガには苦労したが 経験したことには戸惑いは無い


今回の「学び」は「0.5秒の攻防」だった

女性ポートレイトは女性の顔が基準だ

もし私の写真に女性がいなければ もっと黒を締めてコントラストを上げてもいい

しかし女性の顔が潰れたり 暗くなったり 粒子が目立つようではダメだ

そこで「あともう少し薄く!」となった時に1秒加算するのか 0.5秒加算するのかが勝負になる

この0.5秒が本当に大きな差を生む

上の写真は曇りの日の夕方で コントラストは付きにくい

そして全体的に黒が多く占めるので難しかった

テストピースを焼いて基準となる露光時間を目算し 初めの1枚を焼く

彼女そのものは問題ないし全体の質感も良かった

しかし周りが黒すぎた

特に彼女の髪と背景が溶け込んでしまい分離が出来ていない

そこで彼女はそのままで 周りだけを1秒減らし

彼女の足元や左サイドの道は0.5秒(おおよそ)焼き込んだ

かなり難しい焼き込みだったのでネガを逆さまにしてV字に影を作りやすくして露光した

残念ながらスキャンの画像ではその苦労がまるで出ていない・・・

これはFOMAPAN200 をRollei Supergrain で処理したネガ

初めこそ「イマイチだなぁ。。。」と思っていたが よくよく見ていると「なんだかイイな♪」となった

この組み合わせが見たくて現像液を急遽 購入した甲斐があった


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これはRollei Retro400s をSupergrain で処理したもの

前回と意味合いは同じだったから初めから0号フィルターを入れてテストピースを焼いた

ストレートで焼いても問題はなく質感も良かったが右上のフレアを指摘された

これはバルサム切れのレンズで撮影した故の現象だと説明したが

「ネガに乗っているなら出る。根気強くやってみなさい」とアドヴァイスされた

アドヴァイスと言うよりは半ば「命令」だったかもしれない(笑)

しかしこれが難しかった

結局 納得できるまで4枚も焼いた

問題の箇所だけ約9秒も焼き込んだのだからすごい


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最後はフィルムの確認をしたかった

この写真はFOMAPAN400 をD-76 で1+1 処理している

135サイズのフィルムだと粒子が目立ち 見方によっては「汚い」印象が残る

しかし120フィルムだとそれも無く しかも黒が締まりとてもイイ

ノーフィルターでストレートに焼ける

これなら半切に引き伸ばしても粒子は問題ない範囲で むしろ心地良い粒子感になると思う

それが確認できたのがとても嬉しかった

ただ「作品」としては初めの写真同様に「黒の占める割合」が全体の明るさを印象付ける

私はこれでも良かったのだが やはり「あとほんの少し明るくしてみなさい。印象が変わるから」とアドヴァイスされた

そこでここでも0.5秒だけ露光時間を減らした

ただそれだけの事なのだが 本当に全体的に「柔らかく」なった

それでも彼女の髪や上着の黒はしっかりと保たれている

秋の午後に撮影しているが その時のライティングの状況がよく現れている


その後はフィルム談義

フィルムと現像液の組み合わせを あれやこれやと話をして色々と提案を頂いた

今日は先生がお休みで 暗室のスタッフにご教授頂いた

以前にも記したが 実は先生よりも彼の方がツッコミが鋭い

そして「根拠」を明確に説明してくださるので納得ができる

私よりずっと若いのに本当にプロフェッショナルなのだ

色々と話をしていて 私の考えに彼が同意してくれると妙に嬉しい


「結局はD-76 に戻る人が殆ど。あれは『特徴がない』のが『特徴』なんですよ」

と彼は言う

「でも、万能だから上手い人と下手な人の差が明確に出る。許容範囲が広いけど難しい奴です」

彼は笑った

でも私も全くの同感だった

まだまだ試行錯誤は続くが それでも段々と道は拓けてきたと実感している






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# by pianoartech312 | 2017-06-01 19:00 | Portrait | Comments(0)

写真は記録

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改めて記します

1年間 私の撮影にお付き合い下さる女性を求めます


『何故、山に登るのか?』『そこに山があるから』

ジョージ・マロリーの有名な言葉だ

単純明快な言葉の中にも とてつもなく強い信念が伺える



私はよく質問を受ける

「どうして写真を始めたのですか?」

「どうして女性ばかり撮るのですか?」

「どうしてモノクロフィルムの撮影が好きなのですか?」


私がジョージと同じように答えることができるならカッコいいかもしれない

でも私には明確な「答え」がある

写真を始めたきっかけは「鉄道写真」

女性を撮影することが好きなのは少々誤解があって

「女性」ではなく「人間を撮る」のが好きなのだ

その答えは簡単

「意思疎通が容易だから」

私の友人には風景や自然を撮影する人が多くいるが本当に尊敬する

「モノクロフィルム」にこだわるのは今年になってからも多く記事にしているのでここでは回答を避ける


常々記すが 私の信念は「写真は記録」と言うこと

写真は「作品」である前に「記録」だと思っている

それは生きた証であり 被写体と私がそこに存在していた証だからだ

写真は記念日に撮影するのではない

撮影した日が記念日なのだ

これも必ず撮影する女性に話すこと

写真が苦手とか嫌いとか言う女性を撮影する機会が増えた

巷でも それらの「対策」を講じた撮影会なども開かれているようだ

良いことだと思う

でも例え写真に対して苦手意識がなくても初めから上手な人はいない

上手である必要がない

もちろん商用撮影においては話は全く変わる

今 私が話しているのは個人的な「趣味」の撮影においての話だ

どんなことでも「ローマは1日にしてならず」と言う格言通りで すぐに結果などでない

例えば初めての撮影でガチガチに緊張してブサイクな自分が記録されたとしても それはその時の自分なのだ

もちろん私は撮影する女性の一番綺麗な場所・瞬間・仕草を見つける

そしてそれを自然な形で 一連の動作の中で引き出せるように務める

それは「やらせ」になるかもしれないが ポーズを決めて静止するよりはずっと良い

大切なのは「自分を見つめるきっかけ」を提供することだ

その意識を持つだけで女性は全く変わる


私に撮影された経験のある女性なら 多分 全員が私から説教をされているはずだ

姿勢・歩き方・視線のやり方・所作…

中には気分を悪くする人だっている

でも私は誹謗中傷しているのではない 本当のことを言っている

つまり『嘘』をついてまで褒める方が罪だと考える

だから良いところがあれば 本人が恥ずかしく思うくらい褒める

綺麗な瞬間があれば「綺麗!」と言う

「飴と鞭」と言う人もいるが それも違う

とにかく「事実」を言っているだけだ



今でこそたくさんの女性を撮影できるようになったが

初めの頃は一人か二人だけだった

でも だから徹底的に向き合うことができた

そして彼女の「変わりよう」を記録することができた

お互いの信用関係を築くこともできた

女性を撮影するカメラマンの間でも議論することが多くある

「たくさんの人を撮るか、一人を長く撮り続けるか?」

それを言い換えるとこうなる

「100人の女性から100の表情を得るか 1人の女性から100の表情を得るか?」

これに優劣や正解はない  どちらも 全うできればすごいことだし素晴らしい記録だ


今ここに来て またモノクロフィルムと徹底的に向き合うようになって写真が変わった

以前の自分なら「ありえない」と思う質感や撮影内容だと思う

でもそれが「進歩」であり「進化」だ

そして「失敗」を重ねることで「今までのやり方に提案される」ことも増えた


だから 1人の女性と徹底的に向き合ってみたい




もちろん今まで通りの撮影は続ける

やはりモデルは多くいる方が良いし 私の撮影が彼女たちにとって「幸せの記憶」となることが嬉しいから

それとは別に 自分自身の追求をしたいのだ


きっとデジタルカメラでの撮影は無いと思う

徹底的にモノクローム写真になるはずだ

撮影・現像・プリントと言う過程に極限の緊張感を持って臨まないとならないはずだ

でも 今はそれを追求してみたいと強く思っている


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# by pianoartech312 | 2017-05-31 19:00 | Portrait | Comments(0)